仕事の進捗を確認しているだけなのに、
相手がアタフタとあせりだした理由は?
毎度おなじみ〝後輩くん〞に、今度は資料の作成を頼んだあなた。
伝えていた締め切りまでには、あと数日ほど余裕がありますが、締め切り直前までほったらかしにするのも、なんだか不安です。
ちゃんと作業が進んでいるのか確認したくなったあなたは、後輩くんにこう聞いてみました。
「そういえば、資料作成はどんな感じで進んでる?」
すると後輩くんは、なぜかあせり出しました。
「……!! いま、まさにリサーチしているところです……!」と、なんだかアタフタしています。
あなたとしては気軽に声をかけたつもりだったのに、相手は「仕事が遅いのを責められている」と感じてしまったみたいです。
後輩くんはなぜ、ごく普通の質問に対してあせり出したのでしょうか?
声が低く、威圧的になっていませんか?
ごく普通の質問をしているのに、相手が怯えたりあせったりしている場合、相手はあなたの質問に「怒り」や「圧迫」を感じているのかもしれません。
その原因は、あなたの「言葉」ではなく「声」にあるんです。
会話の中で、声の出し方にまで気を遣っている人はあまりいませんが、実は声の高さによって、相手に与える印象は大きく変わってきます。
例えば、高い声の場合は、話す人のキャラクターを社交的に感じさせる効果があります。
テレビ通販の「ジャパネットたかた」があれほど売れたのも、高田社長の〝声の高さ〞に秘密があると言われているほど。
奥さまがたが洗濯機を回している最中でも、高田社長の「さあーみなさん!」という声だけは、耳に入ってくるというわけです。
一方、低い声の場合、「シブい」「カッコいい」というイメージに加えて、相手に信用されやすいというメリットもあるのですが、その半面「威圧的」「とっつきにくい」という印象を相手に与えてしまうというデメリットがあります。
相手にとっては、話の内容以上に、声のトーンによって会話の印象が決定されてしまうと言っても過言ではありません。
声が低いと「パワハラトーン」になってしまう!
「資料作成はどんな感じで進んでる?」(声低め)
後輩くんにこう聞いたとき、あなたの声は「ズーンと低く」なっていたのではないでしょうか?
声に威圧的な響きがあると、質問者の意図とは関係なしに、相手を怖がらせ、萎縮させてしまうことがあります。
どれだけ言葉で親切なことを言っていても、なんとなく責めたり、叱っているような響きが加わってしまうんです。
せっかく後輩くんのためを思って質問したのに、声が低かったばかりに、相手は「パワハラだ!」なんて思っているかもしれません。
本気で仕事の遅い後輩くんのお尻を叩きたいのならともかく、ムダに相手を怖がらせてモチベーションを下げるのは、先輩としてかしこいやり方とは言えませんよね。
では、声から「威圧感」を取り去るには、どうすればいいのでしょうか?
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