過去の美しい思い出だからこそ、譲れない@1981年の調布

独身女性投資家が集まるサワディ茶話会では、昔の男の存在をめぐって熱い議論が続いてた。誰が百鳥悠次郎の恋人だったのか? 過去のことだからこそ、譲れない何かが彼女たちの内衝動を突き動かしていた。娘の百鳥ユウカはその熱意にたじろくばかり……。

「猪子さん、それはどういう意味?」

片山智恵子は猪子由美の言葉を訝しむように受け取った。

「百鳥さんとお付き合いしていたのは、私なのに、なんでそんな風にいうの?」

「片山さんこそ、私と悠次郎さんのことを知っていて、そう言ってるんですか?」

猪子由美も負けてはいない。彼女には何か譲れないものがあるようだ。

「私と悠次郎さんは、一緒に暮らしていました。それでも、まだ文句があるんですか?」

えっ? 一緒に暮らしていたのがこの猪子由美? ユウカは書斎から出た写真の父悠次郎の隣で微笑んでいた女性を思い出していた。猪子由美とは似ても似つかない。

そこに割って入ったのは、平林さんだ。

「まぁまぁ、二人とも。ひょっとして何か誤解があるかもしれないから、お二人とも悠次郎さんとの思い出を話してもらえますか?」

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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