書店では堂々とレシピ本コーナーに陳列!
「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」(マガジンハウス)
鍋は実は、一人で食べるのにぴったり
みなさまこんにちは。ようやく秋晴れになったので山登りに行こうと宿を予約したら、なんと目当ての山はもう冬山で登山期間を終えていることが判明……ナンテコッタイ。もう冬がすぐそこまで来ちゃってます!
でもまあ、冬には冬の楽しみがありますからね。
その一つが、鍋! 好きな材料を入れて、ぐつぐつ煮て、食べる。
これぞ「レシピ本なんていらない」料理の代表格ではないでしょうか。好きな肉やら魚やら野菜やら豆腐やらなんでも入れて、しょうゆ味やら味噌味やらキムチ味やら適当に好きな味をつければいいのです。あるいは鍋には味をつけず、それぞれの取り皿でポン酢やらゴマだれやらで好みの味にしてもいい。
そう考えると、鍋ほど素晴らしい料理ってそうそうない気がします。
作り方といえば材料をザクザク切るだけ。これならまさに誰が作ろうが準備は10分。子供だって作れます。各自好きなものを取って食べられるからみんなが満足。飽きることもない。わざわざ買い物に行かなくても冷蔵庫の残りで十分できちゃったりしますしね。
いやもうね、寒い時期は毎日鍋でいいんじゃないでしょうか?
そして、鍋ほど一人で食べるのに適した料理はないというのが私の実感でもあります。
世間では「一人で鍋なんてワビシイ」などとおっしゃる方もいますけど、いやいや全然侘しくなんてないですよ! だって目の前の食卓でグツグツと材料が煮えて湯気が出てるって、見てるだけで幸せで楽しいじゃないですか。一人の侘しさなんて瞬時に吹っ飛びます。むしろ佗しさを感じたら鍋! っていうか鍋さえあれば一人でも強く生きていける……と、実際に一人で鍋ばかり食べている体験者が言うんだから間違いない。
あ、微妙に話が逸れましたが本題はここから。
鍋が美味しい大きな理由の一つは、実は「鍋」そのものによるところが大きいのではないかと思う今日この頃。
鍋といえば、土鍋です。じんわりゆっくり火が通る。いったん温まると保温性が高い。ただただ材料を放り込んでいくだけで美味しくなるのはそのおかげなんじゃなかろうか。
つまりは、鍋料理のメーンシェフは鍋そのものなわけです。その実力があまりにも高いので、サブシェフの人間が頑張らなくてもちゃんと美味しく出来上がる。
で、ふと考えてみたら私の料理、今やすべてがその境地に達しているじゃないの。炒め物も、煮物も、全部鍋にお任せなのです。