基本はやっぱり鍋で炊くご飯。稲垣えみ子✕高橋みどり対談【第2回】

「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」が大きな話題になっている稲垣えみ子さん。レシピ本は、アイデアをいただくつもりで読むのがいい、とスタイリストの高橋みどりさん。鍋で炊くごはんは、いつも同じに炊けるとは限らない、そこが楽しいと意見が一致。自分がおいしいと思う味のコアを見つければ、人生は最強。

野菜のオイル蒸しは毎日つくっても飽きない

高橋みどり(以下、高橋) 家で食べるごはんは、やっぱりシンプルなものがいいですよね。朝ご飯みたいな晩ご飯というか。料理本をいっぱいつくってますが、普段はそんなに凝ったものをつくっているわけではないです。日本は四季があるから、味噌汁にしてもぬか漬けにしても、それだけでかなりバリエーションが生まれるし。

稲垣えみ子(以下、稲垣) そうなんですよ! 『もうレシピ本はいらない』を書いていたときにも思ったんですが、シンプルにした方がバリエーションが生まれるということに日々驚いてます。外食をしないわけではないんですが、家でつくるそんなごはんがおいしいのでつい家に帰ってしまう。もうごちそうが入る余地がない、というか。

「もうレシピ本はいらない 人生を変える最強の食卓」(マガジンハウス)

高橋 遠回りしたけど、自分の好きな味を見つけたんですね。

稲垣 そうなんです、生涯の男を見つけた、みたいな(笑)。

高橋 以前は、いろいろつくっていたんですか。フレンチとかイタリアンとか。

稲垣 そうですね、本格フレンチとまではいかないけれど、なんとかソースとかも頑張って作ってました。

高橋 でもそういう過程があったから、今のこの幸せがあるわけで。

稲垣 幸せの定義がガラリと変わった。例えば、外食のハードルがすごく上がりました。自分のおいしさの基準がもうはっきりしてしまっているので、結局、自分にとって本当においしいものを作り出せるのは究極自分しかいないと思うようになったんです。私の好きな「地味飯」って、高いお金を取れないからお店のメニューにはなかなかないし。

高橋 家で食べる楽しさって、リラックスして、心地いい空間で食べるということも大きいと思うんですよ。普段の日は仕事からもどったらすぐに食べたいから、やっぱり30分くらいで仕上げたい。料理するのに疲れちゃったら意味がないので。野菜のオイル蒸し、って、鍋に野菜入れて、おいしいオリーブオイルかけて、ふたをして火を通して塩をぱらっと振る、というだけなんですが、本当にしょっちゅうつくってます。簡単でおいしくて全然飽きない。

稲垣 「料理上手のともだちレシピ」にも載ってましたが、ルクルーゼでつくるんですよね。鍋が勝手に料理してくれるっていう感覚、今はよくわかります。

高橋 食材がよくて調味料がおいしくて鍋がしっかりしていれば、勝手にできちゃう。で、今日はちょっとクミン入れてみるか、とか。そういうのは、レシピ本で知ったことも多いですね。自分の知識にはない。レシピ本のとおりにつくるのではなくて、アイデアを引き出しに入れておく、という感じですね。

鍋で炊くごはんが基本

稲垣 ベースがあれば、そういうふうにできるんだと思います。私は以前は本当にレシピ本に振り回されていて自分の味のコアがなかった。だから今なら、逆にレシピ本を使いこなせる気もします。本の通りにつくらなくてもいいということがわかったので。前は本当に、食材にしても調味料にしても、ひとつでも欠けたらもうつくれない、という感じでしたから。完成された味にならないんじゃないか、という不安があったので。

高橋 読者の中にもそういう方は多いんじゃないでしょうか。自分自身もそうだったし。レシピ本は、いま多すぎるとは思いますが、存在する価値のあるものはある。残るものは残る。

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アフロえみ子の「自由メシ!」

稲垣えみ子

アフロで無職で独身の、稲垣えみ子53歳。朝日新聞退社後、激変したのは食生活。メシ、汁、漬物を基本に作る毎日のごはんは、超低予算ながら、本人はいたって満足。冷蔵庫なし、ガスコンロは一口、それでもできる献立とは!? レシピ本不要、作り置き...もっと読む

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elba_isola |稲垣えみ子|アフロえみ子の「自由メシ!」 全然どうしても調理には興味が持てず、食べるの専門。好きな味覚のコアあるかなぁ。何でも美味しければいい、と思ってしまう。 https://t.co/cJsQ844MJK 3年弱前 replyretweetfavorite