転職、進路、就職…後悔しないために読みたい「おとなの進路教室。」

京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う名著を選んでみた。22作目は、山田ズーニーの『おとなの進路教室。』。ほぼ日で連載。何かの選択に迷ったり、自分の意志がぐらぐらしてきたときに、ぜひ読んでみてほしい一冊。【重版出来しました】『人生を狂わす名著50』より特別連載。作家、有川浩も推薦! →公開は毎週木・金です。

大人になっても、「これから」に迷っているあなたへ

『おとなの進路教室。』山田ズーニー
(河出書房新社)初出2007

「誰かの想い」に沿った選択 VS 「自分の想い」に沿った選択

ビジネス書でも自己啓発でもない。だけど、選択、就職、進学……悩んだとき「自分の意志に逆らわない勇気」をくれる一冊。#ほぼ日で連載 #自分の将来を見つめ直したい人へ #仕事にすこし悩む人へ #「選択」が苦手な人へ #後悔のない人生を送りたい人へ #悩みを打開する一手を知りたい人へ #「コミュ力」という言葉にドキリとする人へ


 選択が苦手だ。
 優柔不断。何かを選ぶとき、最後に半泣きで「やっぱこっちにする……」って言うタイプ。この性分で様々な人に迷惑をかけてきたし、ほんっとに直したいと思うのだけど、なかなか直らない。
 だけど、この本を初めて読んだとき、そうか、と思った。

「世界はいつもそこにあり……」
受験も、就職も、人生の選択も、ある日突然、ふってわいてくるのではない。すでにそこにあった。自分が気づいていないだけで。
自分が、日々、一瞬一瞬、してきた、意志とはいえないほどのささやかな選択の積み重ね、それこそ「ピントのあわせかたひとつの違い」の集積は、自分を導いていって、そして、自分の道ができ、尊厳ができ、私たちは、自分で「選択」せざるをえないところまで来るのだ。
だから、何かを「選ばなきゃならなくなっている」こと自体、すでに、その人の「意志」と言えないだろうか。

 何かを選ばなきゃいけない、というのは、表面上わかりやすい「選択のタイミング」だっただけ、ということ。
 私たちは外から与えられたタイミングで選ぶわけではない。日々いろんなことを選択してきた自分がいて、その自分が何かを選びます、と外の世界に宣言するのが、そのタイミングだっただけで。
 著者はこう続ける。

自分を「選択」まで導いてきた意志の集積に比べれば、「結果」は小さいことだと私は思う。
だから、いざ「選択する」という段になって、あっちが有利だから、こっちは恐いからと、それまで自分を導いてきた意志をすりかえるというのは、おかしな話だし。「結果」に負けて、「意志」がつぶされるというのは、順番が逆のように思う。

 たしかになぁ。

意志が結果に負けるという考え方をしたことがなかったけれど、言われてみれば思い当たる。結果の有利不利、というか成功確率に負けて意志を曲げたとき、いつもあとで「やっぱりこっちの道じゃない」と思ってしまう。
 人は案外「成功」それ自体よりも、「納得」を求めていたりするものだから。

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三宅香帆

『人生を狂わす名著50』(ライツ社刊)著者、三宅香帆による文学レポート。  ふと「いまの文学の流行りをレポート」みたいな内容を書いてみようかなと思い立ちました! なんとなく、音楽や映画だと「ナタリー」みたいな流行をまとめる記事っ...もっと読む

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jingi_komura_11 自分の人生狂わせた名著(?)は、『デュシャンは語る』 働かない人生が今でも夢だ https://t.co/qAG4Kk2I2g 1年以上前 replyretweetfavorite