自分が人生の主役じゃなくていい

自分の人生に夢中になれる人が羨ましい。猪子由美は誰かの人生の脇役であることに喜びを見出していた。彼女の前半生を振り返ると、そこにあるのは絶望とほんの少しの楽しみ。映画が他人の人生を疑似体験できる芸術ならば、彼女は映画館でずっと他人の人生を見続けることを選びたいと願う。百鳥ユウカの父の元恋人を探す旅は、人知れない迷宮に入り込んでいた。


片山智恵子の話を遮った勇気ある女性は、猪子由美という名前だった。猪子と書いて(いのこ)と読む。小学校で、ブタ子ブタ子とからかわれていじめられてきたせいで、彼女自身はこの苗字があまり好きじゃない。

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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