嘘、という「必要悪」
今回のテーマは「時々嘘をつくが、嘘をつかれるのは嫌」である。
嘘は悪、ということに一応なってはいる。しかし大人になるとそれが「必要悪」であると誰もが気づくものである。「アタシ、ホントにブスでいやになるょ…」と言っている女に「そんなことないょ」と言うのと「よくぞ、そこに気づかれた!」と力強く肩を叩(たた)くの、どちらが世界の平和が守られるか、という話である。むしろ大人になってからそういった便宜上の嘘をつけない奴は、正直者ではなくただの「空気の読めない奴」である。己の正義のために輪を乱す人間はもはや悪だ。
心にもないお世辞、同調、適当に話を合わせることも広義で言えば嘘になるが、それで回避できている戦は山ほどあるのだ。逆にこの世に嘘がなかったら、今頃、世界は第5兆次大戦ぐらいに突入しているし、5〜6回核の炎に包まれているはずである。
だが、確かにどうでもいいブス相手になら「かわいいょ」と適当な嘘をついて場を収めるのもやぶさかではないが、相手が大切なブスだった場合、嘘はつきたくない、むしろ相手が大切なブスだからこそ「ブスだ」と伝えたいのだ、という人もいるだろう。
所謂(いわゆる)「あなたのためを思って本当のことを言う」というやつだ。しかし、本当に相手のためになるかは至って不明である。「そうか私はブスだったのか、よし明日からガンバるぞ!言ってくれてありがとう」となってくれたら良いが、ただ単にディスられただけ、と感じる人ももちろんいるし、本当のことを言われるのが相手にとってプラスかどうかは相手が決めることであり「知りたくなかった」と思えば、ただ「いらんことを言った」だけである。
世の中には「本当のことを言う」と「嘘をつく」以外ないわけでない。嘘をつきたくない場合でも本当のことを言う前に「何も言わない」「曖昧なことを言う」「ハミング」等の選択肢がある、ということを覚えておきたい。
浮気をするならバレないように
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。