学祭で味わう「プチ社会人」気分
11月になりました。学祭シーズンの到来です。開催日が近づくにつれて学内がザワついてゆくあの感じ、お祭り大好き人間にとってはたまらないことでしょう! お祭りなんか嫌いだという人も、学祭に合わせた臨時休講があったりして、夏休みがもう一度戻って来たかのような高揚感を味わえますから、まあ文句は言えませんよね。
中高の文化祭では、先生の許可なしにできることなんてほとんどないですが、大学の学祭では、出し物の内容から、予算の組み方まで、ほとんどの部分を学生だけで決めることができますし、学生の身分でありながら「プチ社会人」として外部の人たちとかかわり、経験値を上げることもできます。イベントサークルに入ろうもんなら、芸能人やプロのミュージシャンを呼んだりしちゃって、気分はもう業界人です。
バイトやインターンもプチ社会人のようなものなのですが、求められる作業の多くは、わりと地味。それに対して、学祭はその名の通りお祭りなので、作業のひとつひとつが非日常的。苦労もあるけれど、基本とても楽しいものです。楽しくて経験値も上がるなんて、めっちゃお得! と思うかもしれませんが、危ういところがあるのもまた事実です。
「学生だから」は自分から言ってはいけない
たとえば、ゲストを呼ぶときに「学生の企画なのでノーギャラでお願いします」と、当然のように切り出す学生がいますが「学生=貧乏=ノーギャラ」という図式を素直に信じる大人なんて、そうそういません。だいたい、イベントの打ち上げと称して、ひとり三千円くらい使って飲み会とかやるわけじゃないですか。そのお金があるのなら、ギャラ払えるよね?という話です。
もしノーギャラでOKしてくれる人がいたとすれば、それはものすごくいい人である可能性もありますが、その一方で学生をナメてる可能性もある。仕事としてではなくボランティアとして、学生のプチ社会人ごっこに付き合っているだけかもしれないのです。
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