野菜の甘味でがんもどきを煮て、ささっと二品完成。

肌寒い季節になると、甘いものが恋しくなる。夏場はカリッと焼いていたがんもどきも、甘辛くしっとり煮てみる。みりんや砂糖は使わずに……。最新刊「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」には、すぐ真似したくなる、新しい食のアイデアがいっぱい。10月30日下北沢B&Bでトークイベント「ラクな料理でラクに生きる」を開催。ゲストは、代々木上原の人気餃子店『按田餃子』のオーナー、按田優子さんです。


重版出来! 好評発売中。

「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」

砂糖とみりんがなくたって

 みなさまこんにちは。いやいや東京は本当に雨ばっかり。冷蔵庫なしの干し物ライフで太陽のありがたさは誰より身に沁みているつもりでしたが、まだまだ沁み方が足りなかった。野菜どころか洗濯物も干せやしないとなると人生に支障が生じます。太陽カムバ—ック!!

 いやね、太陽が出ないと何も干せないだけじゃありません。
 この時期の雨って、本当に冷たい。慌てて分厚い靴下やら湯たんぽやらを取り出しております。

 でも悪いことばかりじゃありません。肌寒い季節になると、なんだか甘い食べ物が恋しくなる。それを口にするのがなんとも幸せなんですよね。

 一方で、甘いものは体を冷やすという。なのに寒くなると甘いものが食べたくなる。これは一体どうしたことか?
 だって夏はアイスクリームやかき氷は別として、甘い食べ物ってあんまり食べる気になりません。むしろ酸っぱいものや辛いものが食べたい。味噌汁も辛い八丁味噌が断然美味しいのです。汗で塩分が失われるからでしょうか。
 一方、秋も深まってくると俄然、甘めの麦味噌や白味噌が恋しくなってくる。私の愛する日本酒も、寒い地方のお酒は概して甘いんですよね。
 甘いってことは、気持ちも体もホッとさせるせいかもしれません。寒さでコチコチになった体と心が、甘いものを口にするとやんわり緩んでくる。それは寒いからこその素晴らしい楽しみです。

 というわけで、本日は大好きながんもどきを甘く煮てみました。
 夏のがんもはコンガリと焼いて大根おろしをたっぷりとかけて醤油やポン酢味で食べたいのですが、寒くなってくると煮物にしたくなる。
 で、私にとってがんもの煮物といえば、高野山の宿坊の朝食です。
 なぜかどの宿坊に行っても朝は必ずこれが出てきて、イヤこれがなんとも……。ああ思い出しただけでお腹がグウと鳴る。ほんのり甘い味がジュワーっとしみたふわふわのがんもは起き抜けの体に実に優しく、そして気づけばお腹も心もしっかり満足している。いつの間にやら「今日も頑張るぞ」という気持ちになっている。そんな究極の一品なのです。

 で、これを目指してがんもを煮る。

 でもね、基本「塩・醤油・味噌」しかない我が台所にはみりんも砂糖もありません。それでどうやって甘い煮物を作るのか?

 いやね、これが全然大丈夫なんです!

野菜の甘味を引き出す

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アフロで無職で独身の、稲垣えみ子53歳。朝日新聞退社後、激変したのは食生活。メシ、汁、漬物を基本に作る毎日のごはんは、超低予算ながら、本人はいたって満足。冷蔵庫なし、ガスコンロは一口、それでもできる献立とは!? レシピ本不要、作り置き...もっと読む

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