アイドル戦国時代以降の“アイドルの伝え方” 後編

乗田綾子氏がアイドルへの愛情と畏怖と感謝を込め綴った書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。文字通りファンという視座で書かれた本作だが、そんな彼女と『エンタメ』『Top Yell』『EX大衆』など多くの媒体に寄稿し、アイドル戦国時代の勃興期から「アイドル言論」に身を置いてきた大貫真之介氏が邂逅。ブームが定着し「太平の世」とも言えるこの時代において「アイドルをどう伝えたい」か。今回は後編を公開!

“今”と“未来”を語らないと、アイドル文化は続かない


乗田綾子(以下、乗田) 師匠は現役アイドルだけでなく、アイドルを卒業された方のインタビューもされていらっしゃいますよね?

大貫真之介(以下、大貫) その瞬間の輝きに「儚さ」を感じることもアイドルを見る醍醐味なのかもしれないけど、僕は追っていたアイドルが卒業後も芸能活動を続けるなら見守っていたいんですよね。インタビューする機会があれば、アイドルとしての活動を終了したその後も、自分がやりたかったことをやっています!という話を聞けるのが楽しいんですよ(笑)。例えば元SKE48の秦佐和子さんは、在籍中から声優を目指していると公言してきて、現在夢であった声優になり活躍されている。すごいことだと思いますよ。もちろん聞きますけど、「あの時はどうだった?」みたいな形でしか語れないのは、ぶっちゃけ言うとつまらなくて。僕は楽しそうに「今こうなんです!」という話を聞きたいし、表に出したい。乗田さんは?

乗田 今の女性アイドルは「卒業」という区切りもあるから、その前と後で人生が区切られる中で、周りにしてみればどうしても”前”の方にフォーカスしがちなんですけど……でも私はアイドルは常に“今の活動”を見ていてほしいという考えを持っていて。それは現役に限らず、アイドルを経験した全ての子も。ずっと“今”を見てナンボだと思っていて。でも、やっぱり多くの人はまず昔のことに注目したがるんですよね。道重さんが復帰した時も、モーニング娘。時代の話から中々離れないインタビューが多かった。でも、長期の休止から戻ってくるということは、今やりたいこと、今後やりたいことのヴィジョンがシッカリとあるわけで、過去よりも“今”を見てほしいと思う理由やその意味が本人にちゃんとあるはずなんです。師匠はそのあたりのお話、どう考えていらっしゃるんだろう?とずっと思っていて。

—まだ10代、20代の女の子たちを過去の対象にするには早すぎますよね。アイドルを卒業した、と言えど、人生は続いているわけですから。

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アイドル戦国時代以降の“アイドルの伝え方”

乗田綾子 /大貫真之介

ライブやラジオ、雑誌等でのSMAPの発言や行動を振り返りその歴史を語りつつ、ファンの目線から“アイドル"の意味と意義を読み解いた一冊『SMAPと、とあるファンの物語』。そんな入魂の書籍を上梓した乗田氏が、いわゆる「アイドル戦国時代」に...もっと読む

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コメント

chimey 胸熱くなる連載だった! 乗田さんの本も読んだよ。最高! 約3年前 replyretweetfavorite

ataru_mix "現在進行形の熱狂は、その後のフリになるから、ひとつのグループを長く観れば2度楽しめる" 自分にとってのAKB13期だな、これが。 約3年前 replyretweetfavorite