一方、森の入所式の5日後、スマスマ初回と同時に放送を開始していた木村主演の月9ドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ)は最終回で36・7%の高視聴率を獲得、その勢いも受けた直後のスマスマは通常回にもかかわらず視聴率29・5%を記録する。
「SMAPの魅力をどこまで表現できるのか それが『SMAP×SMAP』という番組の挑戦です」
初代プロデューサーである荒井昭博のこの言葉通り、歌や笑いに加えて男性の料理の華麗な手さばきでなく地道な基礎練習すらもエンターテインメントにしてしまうアイドルの冠番組は、メンバーが5人になってもなお、勢いを落とすことなく順調に支持を拡大していった。
この頃からメディアではさまざまな称賛の言葉がSMAPに向けられるようになった。
「100%超の視聴率集団」
「CM界の救世主」
草彅が語っている。
「SMAPのキャリアの中でいろんな番組と関わってきたわけなんだけど、本当の意味での僕らのスタートは、『スマスマ』なんだよね。タイトルが僕らの名前ってことで、皆さんに認知されたと言う実感がある」
だが思えば、彼らを取り巻く華やかな賛美や認知の中で、1996年の私はいつから、SMAPが「5人」であることを当たり前のように受け入れていたのだろう。