最後にもう一度、天津の話。相方・木村くんとの話。

これまで12回にわたってお送りしてきたこの連載も、いよいよ最終回です。赤裸々に自らの年収と、そこに至るまでの経緯やものの考え方、先輩に教わったことをお伝えしてきた天津・向清太朗さん。最後の話題は、もう一度、天津のことになりました。色々あった相方・木村さんとのことにも、もちろん触れています。


僕が年収800万円になった理由


 ここまで、僕の年収のお話をしてきました。

 ここで改めて、書いたことを振り返ってみましょう。

 僕は芸人をしながら、いろんな人の意見を聞いて、一体どう変わっていったのか。いろんな人にどういうことを教えてもらったのか。


【それまでの天津・向】

 ・面倒臭いことは全部後回しにした

 ・何事も人のせいにしていた(木村くんが悪いとした)

 ・いろんなイライラを愚痴にしていた

 ・休みの日を無駄に過ごしていた

 ・悪口に一つ一つ敏感に反応していた

 ・好きなものは自分の中にだけ秘めていた

 ・人とまともに会話する気がなかった


 このような人間でした。しかし、それを教わったやり方で変えて、そのおかげで漫才以外の仕事で469万3000円もらえました。

 これに天津の402万1080円を合わせて、年収871万4080円です。



 これが、年収800万円になれた理由です。

 いろいろと教えてくれた皆さんには、感謝しかありません。



簡単に人が変わることはない


 簡単に人が変わることなんて、ありません。それは絶対的にそうだと思います。20年、30年付き合ってきた自分というものを、そう簡単に変えるなんて出来る訳がありません。


 人は変わらない。簡単には。

 でも、時には一つのきっかけで変わる可能性もある。

 すぐ変わることなんて出来ない。でも、時間をかけて方向を変えることは出来る。

 そうやって変わろうとしている時に、あなたの心には一体誰の、どんな声が届くか…ってだけだと思うんです。

 僕は本当にゆっくり、ゆっくりといろんな方に方向を修正してもらいました。

 まだまだ間違うことも沢山あるでしょうけど、その度にいろんな人に話を聞いて正していけたらなと思ってます。


 僕はアニメが好きで、アニメを見て幸せを感じたり、ハラハラしたり、泣いたり笑ったり、いろんな感情をもらいました。


 僕はアニメ、漫画の中で自分が最高だと思うフレーズをコルクボードに貼り、机の前に置いています。自分が影響を受けた一言を、いつでも見られるようにしているんです。


「『ありえない』なんて事はありえない」(『鋼の錬金術師』)

「スマイルが呼んでんよ」(『ピンポン』)

「なんだ……ほとんど可能性ゼロに近いじゃないか! …………でもやらなけりゃ………… 確実なゼロだ!!」(『寄生獣』)

「世界を革命する力を!」(『少女革命ウテナ』)

「μ's(ミューズ)ミュージックスタート!」(『ラブライブ!』)


 などです。文字を見るだけでもその瞬間が目に浮かぶくらい、自分の心に刺さった名言。これを見て思い出すんです。当時の感動を。自分を奮い立たせれたことを。あの漫画のヒーローが頑張っている。

 思い通りにならない、壁にぶち当たる。そんな時は一度顔を上げて、目の前に貼ったそのアニメの名言を見ます。

 やっていることは間違いじゃないかもしれない。頑張っているのに認められない。うまくいかない。いやなことがあって、誰かに愚痴りたい。

 でも、僕が好きなアニメの主人公は、本当にそう言っているでしょうか?


『機動戦士ガンダム』のパイロット、アムロ・レイではないですが、僕には帰る場所があるんじゃないのか? それって、こんなに嬉しいことはないんじゃないのか。

『ワンピース』のポートガス・D・エースではありませんが、あなたが好きなものを好きということで、きっと相手は「愛してくれてありがとう」と言ってくれるはずです。

『スラムダンク』の安西先生ではありませんが、どの瞬間だって、あきらめたらそこで試合終了なはずです。

『ワンパンマン』の無免ライダーじゃありませんが、勝てる勝てないじゃなくて、ここで僕らは立ちむかわなきゃいけないんです。

『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックではありませんが、どうなってもいい。立って歩こう。前に進もう。僕らには立派な足がある。

『はじめの一歩』の鴨川会長ではありませんが、努力した者が報われるかどうかは分かりません。しかし、成功したものは皆、努力をしています。

『ツギハギ漂流作家』の吉備真備ではありませんが、何が嫌いかより、何が好きかで自分を語った方がいいじゃないですか。

 そして『北斗の拳』のラオウではありませんが、最後に我が生涯に一片の悔いなし、と言える自分でありたい。

 僕はそう思います。



年収800万円は高いのか安いのか


 僕は年収800万円を稼ぎました。

 冒頭でも言いましたが、正確には871万4080円です。

 さて、ここまで読んでいただいた皆さん、僕の年収どうでしたでしょうか? 結局、天津・向は売れていないので、あいつにしてはもらいすぎと思うかもしれないし、ああ、それならこの額もらってもおかしくないかもな、と思うかもしれません。

 それは当然、自由です。これだけ年収のことを書いていますが、年収でその人の価値は決まらないなんてことは承知しています。

 ただ数字の事実と、僕自身が変わったことにより数字も動いた、という話を伝えたかっただけです。


 ただ、これだけは思います。


 あなたの周りに好きな先輩がいるなら、その人の言うことに耳を傾けてみてください。ひょっとして、ヘビーな否定の言葉が来るかもしれないし、そのままでいいという肯定の言葉が来るかもしれません。

 いずれにせよ、聞く。

 それが、とても大事な気がします。






 あともう少しだけお付き合いください。

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ただのオタクで売れてない芸人で借金300万円あった僕が、年収800万円になった件

向清太朗

かつて一世を風靡した「あると思います!」のエロ詩吟でおなじみ、天津・木村“じゃない方芸人“の天津・向清太朗。世間では【売れてない芸人】と思われている彼の年収は、800万円です。テレビで見ることは、ほとんどない。昔、大ウケしたネタがある...もっと読む

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コメント

umidaisukiyanen 芸人の天津向さん色々共感するなあ〜 3年弱前 replyretweetfavorite

kanamisomiso すごくいい連載だった。何度も読み返したいくらい。 3年弱前 replyretweetfavorite

thinktink_jp "僕は年収800万円を稼ぎました。 冒頭でも言いましたが、正確には871万4080円です。 さて、ここまで読んでいただいた皆さ..." https://t.co/bFaa15fPo0 https://t.co/5PMl9PlgjM #drip_app 3年弱前 replyretweetfavorite

nzm85730 https://t.co/8t9qvEN6hU 3年弱前 replyretweetfavorite