兼松佳宏(「greenz.jp」編集長)→中原慎一郎(ランドスケーププロダクツ代表) Vol.3「価値とお金の関係をどう考えていますか?」

今回インタビュアーとして登場するのは、「あなたの暮らしと世界を変えるグッドアイデア」を紹介するウェブマガジン「greenz.jp」編集長の兼松佳宏さん。その兼松さんがインタビュー相手として選んでくれたのは、インテリアショップ「Playmountain」や、喫茶店「Tas Yard」などを運営し、住宅や店舗、オフィスなどのデザインも手がける「ランドスケーププロダクツ」の代表、中原慎一郎さん。近年は故郷・鹿児島でも精力的に活動し、異色の鹿児島ガイド本「ぼくの鹿児島案内」などの出版も手がけている中原さんに、兼松さんが聞いてみたいこととは?

価値とお金の関係をどう考えていますか?

Q.「もともとあったものを再編集する」という話が出ましたが、そういう意味でも鹿児島のガイドブックは素晴らしかったですね。

中原:この本は、ぼくらの趣旨を理解してくれる人たちの中からスポンサーを募ったんですね。少人数で作っている本なので、そんなに大きな出費はないのですが、印刷費や諸経費をどのくらいずつ払えばペイできるのかということを理解してもらった上で、この本を大切だと思ってくれる人たちにスポンサードしてもらうという献金的な考え方ですね。だから「自分も仲間になりたい」と思ってもらえるかどうかが大切なので、関わってくれる人たちがみんな主体者になれるようにしたかったんです。もちろん利益が出るということも大切で、たとえば、この本は卸価格を低く設定しているんですね。そうすると利益が1割の本に比べて利益が残るから、みんな一生懸命売ったり仕入れたりしてくれる。また、スポンサーになってくれた人たちには、赤字が黒字に転じてからはその利益を還元していくという仕組みを目指しています。出版して終わりじゃなくて、折り返し地点からまた面白いことが始まるみたいな感覚ですね。


(左)岡本 仁「ぼくの鹿児島案内」、(右)岡本 仁「続・ぼくの鹿児島案内」(ともにランドスケーププロダクツ)

Q. それこそ資本主義の次のステージかもしれませんね。最近だと、クラウドファンディングのように、あるプロジェクトを応援したい人から先にお金を集めてものを作るというやり方もありますし、多くの人には価値を感じられなくても、価値がわかる100人がお金を支払うことで、特定の生産者を支えることもできるかもしれない。一方で、いまは富裕層だけが良いものを買うことができ、お金が潤沢にない人たちはそういうものに触れる機会すらあまりないという現実もあります。言うなら「目利き」の格差が広がっているというか。僕自身「今は買えずとも、いつか手に入れたい!」という思いで、いろんなお店に出かけたりしますが、中原さんは、若い人たちでもちゃんと手のかかったものに接したり、気に入ったものを買えるようになるためにはどうすればいいと思いますか?

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