現代の日本人のほとんどが睡眠不足
これだけ睡眠が重要であることがわかっているのに、日本ではほとんどの人が睡眠不足の悩みを抱えているという残念な状況となっています。
2015年の「国民健康・栄養調査報告」(厚生労働省)では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が約4割と、2003年の睡眠に関する調査開始以降、もっとも高い割合になってしまっています。
日本全体が夜ふかしになっていて、それを示すように、午前1時を25時などと表現する人もいます。
25時という響きからは、午前1時は1日の始まりではなく、前日の夜がまだ終わっていないというイメージを受けます。深夜に活動している人が増えているということでしょう。
24時間オープンしているコンビニエンスストアがいたるところにありますし、都市部には終電が午前0時以降の路線もあり、朝まで開いている飲食店もたくさんあります。終電に乗り遅れて朝まで飲んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。
実は、世界的に見ても日本人は特に睡眠時間が短いといわれています。
下の表は全米睡眠財団が行なった睡眠に関する調査結果です。
この団体は、年代別にどれくらいの睡眠を取っているのか、睡眠時間がどれくらいだと日中の活動のパフォーマンスがいいのかなど、さまざまなデータをまとめています。
掲載している表は、全米睡眠財団が推奨する睡眠時間をまとめたものですが、日本人が見たらびっくりするような数字です。中高生は8〜10時間ぐらい、大人(18歳以上)でも7〜9時間の睡眠を推奨しているのです。
これは、現代の日本人、特に都市部で働いている人にとっては、現実的ではない数字のように感じます。
通勤に時間を取られる都市部では深夜に帰宅して午前1時頃に寝ている人が少なくありません。
ましてや子育て世代の共働き夫婦などは、家事や育児でさらに睡眠時間を削ってしまっています。
しかし、これほどまでの睡眠時間を確保するのが難しい場合でも、せめて6〜7時間ぐらいは眠るようにしてほしいと思います。
「子どもの夜ふかし」は親の責任
下のグラフは睡眠のサプリメントを販売している味の素が2010年に発表したデータです。世界の5都市における30代〜50代の男女の平均睡眠時間を調査しています。
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