あの日、SMAPは自分の目を見て手を振ってくれた。

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、16回目。著者は初めて、ライヴに行った。小学6年生だった。彼女は知った。あのキラキラした世界は、実は私たちと地続きなのだとーー。

 1995年4月、私はその朝も新聞を手にとっていた。

「阪神・淡路大震災」と呼ばれるようになったあの災害の記憶が何も薄れていないのに、わずか2か月後、東京では地下鉄サリン事件が発生していたのだ。

 当時の異様な雰囲気はいつしか小学生にも当たり前に一般紙を開かせるようになっていた。

 ただ子供ゆえに最初に見るのはテレビ欄、その次が裏の社会面。これが定番のコースと決まっている。

 番組表をしばし眺め、そしていつものように社会面を開いたその下に、SMAPの文字はあった。

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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kosama929 本当に、本当に私も行きたい #SMAPとそのファンの物語 約3年前 replyretweetfavorite

smarashic SMAPとそのファンの物語——あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど https://t.co/0Gwnf7f8tm 約3年前 replyretweetfavorite