リーダーとして認められる人は、わかりやすく魅力的な物語を語る【第18回】

家庭、学校、職場……多くの場所で求められる「コミュニケーション能力」。「空気を読む力」「人付き合いのうまさ」など、さまざまな解釈をされながら、その有無に悩む人が近年とても増えているようです。
好評発売中の書籍『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』(日本実業出版社)より、さまざまな角度から「コミュニケーション能力の正体」や「身につけ方」をお伝えします。

あるところに、チームリーダーがいた。Aさんとしよう。

じつに頭がよく、誠実な人柄で、部下の話によく耳を傾け、嘘をつかず、困っている部下にはよく手を貸した。そして「間違ったこと」は決して言わなかった。

Aさんの部下からの評価は「いい人」であった。彼と働いていて不快になる人物はまずいないのだ。彼はやわらかな物腰と、人に意見を押しつけないという評判で、どの部下からも嫌われることはなかった。

だが、Aさんは、4、5人を束ねるチームリーダーを務めたが、その後、昇進することはなかった。「Aさんについていきたい」と言われることがなかったからだ。

Aさんは40歳をすぎると、異動で子会社に飛ばされ、そのまま一社員として定年を迎えた。

Aさんの同期で同時期にチームリーダーになった人物がいた。Oさんとする。

Oさんは主張が強く、部下から「話を聞かない上司」と思われることもたびたびあった。

また、彼の言うことを聞かず、仕事でミスをした人間を厳罰にするなど、容赦のない一面を時折見せた。

しかも、Oさんはよく間違えた。彼は間違えるたびに、部下を頼った。部下はよく働かされた。

Oさんの部下からの評価は、多くは「話は面白いが、怖い人」であった。そして、社内の彼に関する評価は、賛否両論だった。「アイツは血も涙もない男だ」と批判されることもあったが、Oさんは意にも介さなかった。

やがて、Oさんはチームリーダーを務めたあと、10人、20人を束ねるグループのリーダーに抜擢される。一部の社員から、強力な推薦があったためだ。

何より「Oさんのもとで働きたい」と言う社員が少なからずいた。

Oさんは40代半ばになると、ついに100名を束ねる部長まで昇進した。

強烈な性格を持つOさんには敵も多い。だが、Oさんを慕ってくる若手も多く、彼は有能な部下に事欠かなかったのである。

AさんとOさんはこうして、随分と異なった会社員人生を送ることになったのだが、この違いの本質はどこにあるのだろうか。

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仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?

安達裕哉

「空気を読む力」「人付き合いのうまさ」など、さまざまな解釈をされながら、なんとなく求められる「コミュ力」の本質とはいったい何なのか? 150万人を読者にもつ人気サイト『Books&Apps』...もっと読む

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コメント

morinokenja ヒドい誤字。しかもタイトルなのに。⇒ 周りから指示される #スマートニュース 3年弱前 replyretweetfavorite

KNmpJVHVQEuakxh 周りから指示される 3年弱前 replyretweetfavorite

culuculuculurin 「なんであんな頭悪い人が役員に?」は、こういうことなのか...?// 3年弱前 replyretweetfavorite

nimosSTYLE 周りから指示される 3年弱前 replyretweetfavorite