これからは、頭がいいだけの「コミュ障」は生きづらい世の中に【第17回】

家庭、学校、職場……多くの場所で求められる「コミュニケーション能力」。「空気を読む力」「人付き合いのうまさ」など、さまざまな解釈をされながら、その有無に悩む人が近年とても増えているようです。
好評発売中の書籍『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』(日本実業出版社)より、さまざまな角度から「コミュニケーション能力の正体」や「身につけ方」をお伝えします。

知人に、京都大学出身の、極めて知的能力に優れた人物がいる。

彼と話すと、「なるほど、頭がいいとはこういうことなのだな」と納得する。

だが、まだ彼は社会的に成功しているとはいえない。社会的地位や収入からすれば、よくいって「中の下」というくらいである。

彼はいつも半ば自虐的に、「いやー、学歴ばかり無駄にいいよ」と言う。

彼は、研究も、就職活動も、まわりの人とのトラブルで中断してしまったのだ。まわりに合わせてうまく立ちまわることができないといえるだろう。

話を聞くと、人の話を聞かず、つい自分の我をとおしてしまったり、空気を読めなかったりと、今の職場でも苦労しているようだ。

「1万時間の法則」を提唱したことで知られる、現在、最も著名なジャーナリストのひとり、マルコム・グラッドウェルは著書『天才!』(勝間和代訳/講談社)の中で、いくつかの天才 に関するエピソードを紹介しており、その一部を要約したい。

クリス・ランガンという男がいる。彼はIQ195という、100万人に1人の並外れた知能の持ち主だ。

彼は「全米一頭のいい男」と呼ばれ、16歳でプリンキピア・マテマティカを完読し、クイズ番組で同時に100人の相手と競争して勝利できるほどの頭脳の持ち主である。

だが、彼は控えめにいっても、成功とはほど遠い生活を送っている。大学を中退し、建築現場で働き、ハマグリ漁や下級公務員などの職を転々とし、孤独な人生を送っている。

スタンフォード大学の心理学教授、ルイス・ターマンは「知能の高い人間の研究」を行っていた。

彼は25万人の小中高生の中から高いIQを持つ1400人あまりを選び出し、心理学の研究の調査対象とした。成績や大学の進学実績を記録し、結婚について調べ、昇進や転職も記録していった。

ターマンは「彼らこそ、米国の将来を担う人材たちだ」と考えていた。

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仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?

安達裕哉

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SyoKiku 孤独では大変だということね。 頭がいい=成功ではない #SmartNews https://t.co/rU4PYjoGZt 3年弱前 replyretweetfavorite

thinktink_jp "「孤高の天才」というイメージは、研究分野においてもすでに過去のものである。現に、最先端の研究分野では数百人のコラボレーション..." https://t.co/aKRI6TOETv https://t.co/dyrmw9s5G0 #drip_app 3年弱前 replyretweetfavorite

NJG_pr 仕事の達人が「コミュニケーション能力」の本質を語ります! 3年弱前 replyretweetfavorite