私はコンサルタントを十数年間やってきたので、顧客へアドバイスすることを生業としていた。
だが恥ずかしながら、すべてがいいアドバイスであったかといえば、おそらくそうではない。 正直にいうと、私に知識と経験が不足していたがゆえに、まったく顧客の役に立てなか ったこともしばしばあった。
だが、もっと悪いのは、アドバイスのやり方を知らなかったがゆえに、「相手に話を聞いてもらえない」ときがあったことだ。
人へのアドバイスは非常に難しく、気をつかう。
また、若造の言うことを、業界経験何十年というベテランが聞く、という状況自体がそもそも普通に生活していればありえないシチュエーションであるため、「人に話を聞いてもら う」ための練習を積まねばできるようにはならない。
したがって、社内では何度も何度もシミュレーションを行い、できるだけ話を聞いてもらえる状況をつくり出すスキルを身につけるべく、練習を重ねていた。
具体的には、話を聞いてもらうために、次の6つのステップを踏む。
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