「なんでこんな歌が下手な人達がいるんだろうってホントに思ってた」
「リスペクトできなかった」
これは10代の頃に木村自身が抱いていた、彼のアイドル観である。
ジャニーズのレッスンに通い始めたのも初期の木村にとっては「体も動かせるし、部活みたい」というだけであり、それはSMAPのメンバーとなった後も大きく変わるものではなかった。
「適当に女の子にキャーキャー言われて、『衣装のTシャツもらっちゃったよ』とか、『こんなラブレターみたいなの来たよ』とか。その程度の意識」
そんな彼に転機が訪れたのは、まだSMAPがCDデビューしていなかった1989年のことである。
青山の喫茶店で、16歳の木村はある男性に挨拶をした。
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