教えて!ブロンソン みうらじゅん
いついかなるときも、女の前で堂々とした男になりたい。
ブロンソン、悩みを聞いてください。僕は未だ職場に家庭を持ち込むことに抵抗があります。
〝ブロンソン映画は女房と抱き合わせ〞って、言われるくらいあなたの主演作には愛妻ジルが頻繁に登場しますよね。先日も ※1『夜の訪問者』(’70年)を久しぶりに見て、〝この映画に嫁を出す意味あんのかな?〞って、叱らないでくださいよ、思っちゃいました。
ロケ先で毎夜、あなたと嫁を乗せたキャンピングカーだけがやたら揺れていて、それを見たスタッフが「もう、やってらんねぇーよ!」と、言ったに違いありません。
ブロンソン、あなたに限ってそんなことはないと思いますが女の前だと態度を変える男っているでしょ。僕にも少なからずそういうところがあります。その場に居合わせた男の友達にすまない気持ちでいっぱいです。
何もホームパーティ開いて堂々、エロ話がしたいわけではないのですが、女がいようが堂々としてられる術を教えてほしいのです。
よろしく指南、お願いします。
田口ブロンソンが答えよう!
男の価値は女が決める。とにかく女を愛しつくし、中で出せ!
ワシ、ブロンソン ※2でス・ハント!
この連載が始まって4か月だが、ワシのことをただの口うるさい駄洒落説教ブチャムクレ老人だと思ってる若者がいたら、早いとこウィキペディアとやらで自習しといてくれたまえ。じゃないと、ワシの言い放つブロンソン・ジョークがチンプンカンプンだからな!
さぁて、今回のじゅんちゃんのお悩みー〝女房と抱き合わせ〞って、オイ、※2オイ、オインディアン・ランナー!? それって褒めてんのかい? 今更そこ指摘されてもなぁ……。ブロンソン五箇条のひとつ「女房を愛しつくせ」を過剰に実践してるだけだからさぁ。もっと言えばワシの場合〝嫁に出す〞、つまり〝嫁の中に出す〞だ。これも五箇条の「たまったら出せ(中で)」の過度な実行の結果のビッグダディじゃないか! 醜(ブ)ハハハハ、ワシをあんまり買いかぶらんでく ※2れッド・サン!?
しっかし、ワシたち夫婦って世間的にそんなヤリスギ・バカップルなイメージなのかい?
でも、忘れてもらっちゃ困るのは、ジルは女房である前に12歳で舞台デビューしたレッキとした女優なのだよ。それにこいつぁ好みの問題だが、映画史に残らずともファンの記憶に残るワシの傑作活劇『ストリートファイター』(’75年)などのジルは実にイケてたと思うぞ! コレってもしかして、客観性を見失っているのかい? 否、ワシは敢えてそれを〝愛〞と呼ぼうじゃないか!!
ワシにとってはいつも嫁と一緒に居るのが一番自然な状態だっただけだ。逆に言えば、職場を家庭に持ち込んでるのさ。晩婚&更年期ブレイクだったからこその、残り少ないタイム&ザーメンを無駄なく有効に使うエコプラン人生。公私のけじめをつけないブロンソン流システムの導入だったのだ!
でもさぁ、ぶっちゃけ~ジョン&ヨーコのヨーコだってぇ、今じゃ歴史上のカップル的リスペクトだけど、※3プラスティック・オノ・バンドとか、男目線だとキツくなかったぁ?と、とにかく、続けていれば何かと意味や価値が発見されるもんだ! もう忘れてると思うが、飽きっぽいブロンソンズに警告して後から追加した六箇条目の「続ける努力を惜しむな!」ってやつだな!(CD『スーパーマグナム』にはちゃんと入ってるぞ)
それに〝女の前だと態度を変える男〞って、それはワシだ! ワシも同じだったりして!?
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。