女という性」がわからなくなった君に、中村うさぎを読んでほしい。

京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う名著を選んでみた。9作目は、読者も流血するわ作者は返り血と自分の血両方に濡れるエッセイ『愛という病』。女とは何か?という問いをすさまじい切れ味で述べる一冊。 中村うさぎは血を流しながら、いつも「ほら! ひとりじゃないって!」と笑う。『人生を狂わす名著50』より特別連載。作家、有川浩も推薦! →公開は毎週木・金です。

「女という性」がよくわからなくなってきたあなたへ

『愛という病』中村うさぎ
(新潮社)初出2010

愛したい VS 愛されたい

ホスト狂い、整形、デリヘル嬢……女という動物の欲望の謎を中村うさぎの壮絶な実体験から知ることができる一冊。#「女とは何か?」を問い続ける作者によるエッセイ #斬れ味のいい現代批評を読みたい人に #ナルシシズムを見つめ直せる #女と男の溝も見つめ直せる #とにかく迫力のある文章を読みたいときに #なぜ私たちは愛し愛されることに固執するのか?


「女の病」とは、畢竟、ナルシシズムの病なのである。女のナルシシズムは、他者の愛によってしか満たされない。それは女が自分を「他者の欲望の対象」として捉える生き物だからである。女は他者の欲望を求めることによって自己を確立し、同時に、他者を無化するモンスターなのだ。

 あう。
 こんなこと言われてしまっては、なんかもう、降参するしかない。
 中村うさぎはザックリと「お約束」を破る。いつも。
 それを言っちゃあ元も子もないしどうしようもないから言わない、というお約束を中村うさぎはどんどん書いて斬ってゆく。
 それはお約束なのだ。女たちの間で、みんなで言わないようにしようねってむかーしむかしに約束されたことなのだ。だから私も言わなかったのだ。
 だけど、だけどそれでも「言っちゃう」人がいる。「だって言いたいんだもん!」という欲望の前に人は無力だ。

多くの女は、欠落した自己に飢えている。オトコなんて、その自己の投影物に過ぎないの。だから女は「どんなオトコに愛されたいか」に固執する。それはオトコの個人性ではなくて、オトコの属性。(中略)
つまり、彼女たちの選ぶオトコの属性は、彼女たちが自分自身に欲しがっている属性なのね。

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三宅香帆の文学レポート

三宅香帆

『人生を狂わす名著50』(ライツ社刊)著者、三宅香帆による文学レポート。  ふと「いまの文学の流行りをレポート」みたいな内容を書いてみようかなと思い立ちました! なんとなく、音楽や映画だと「ナタリー」みたいな流行をまとめる記事っ...もっと読む

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コメント

ncbgs_f うさぎさんの文は本当に心にグサってくる。/ 1年以上前 replyretweetfavorite