この頃も引き続きSMAPはオリコン1位に縁がないグループだったが、しかし状況は少しずつ変わってきている。
デビュー3年目のここにきて彼らのCD売上は、ついに上昇傾向を見せ始めたのだ。
アイドルが苦戦を強いられるようになった1990年以降、その影響は光GENJIや男闘呼組ですら避けられず、ジャニーズ事務所のアイドルは全体的に売上枚数を落としていた。
しかし最初からCDが売れていなかったSMAPは『負けるなBaby! ~Never give up』で一旦底を打った後、アニメタイアップの『笑顔のゲンキ』で、累計売上を3万枚近く伸ばしていたのである。
ここに視聴率が二桁をキープし始めた「夢がMORI MORI」での露出と、冠番組「愛ラブSMAP!」の人気企画「3on3 BASKET BALL」誕生がちょうど重なっていく。
バスケットボールをしながら歌った1992年末のシングル『雪が降ってきた』は累計売上が前作のプラス7万枚、明けて1993年3月の『ずっと忘れない』は、初めて累計売上が20万枚を超える。
1993年の年頭に「勝負の年」と表現した中居のコメントは、言葉そのまま、グループのみならずスタッフ・関係者も含めての本音だったのではないだろうか。
しかし時を同じくしてこの年、ジャニーズ事務所の中ではあるグループが、その歴史に終止符を打とうとしていた。
ちょうどSMAPが『はじめての夏』をリリースした頃である。
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