質問をしたら、相手が急に不機嫌に!
いったいなぜ??
今回は、こんな状況を想像してみてください。
初めての営業先を訪れたあなた。
先方の担当者である山田専務と、まずは雑談から親交をあたためることにします。
年齢からすると「アラカン(60歳前後)」なのに、スラリとしてお腹も出ていない山田専務を見て感心したあなたは、こんなふうに尋ねてみました。
「山田さんは本当にスタイルがいいですね! 何か特別なトレーニングでもされているんですか?」
質問そのものは、相手の「話したい欲求」を刺激する「いい質問」だと言えます。……にもかかわらず、なぜか相手は少しばかりムッとした様子。
こんなふうに、とくに「いやな質問」をしているわけでもないのに、相手が不愉快そうな様子を見せたときは、どんな原因が考えられるでしょうか?
相手の呼び方を間違っていませんか?
質問に限った話ではありませんが、人は普段と違ったふうに扱われたとき、相手に対して反感を覚えるという傾向が見られます。
その最たる例が「名前を間違える」ことでしょう。漢字を一文字間違えられただけで激怒する人も珍しくありません。
そんなことは、当然皆さんもご承知でしょうが、名前以外にも注意すべきポイントはたくさんあります。
冒頭の例では、「山田さん」という呼び方に問題がありました。
より具体的に言えば、「さん」という敬称がマズかったようです。
役職付きの人は、「青木専務」「伊藤常務」など、役職で呼ばれることが一般的です。
私の周りの例を見ても、退職されてからも、現役時代の役職名で呼ばれることを喜ぶ方は多いものです。
そんな相手に対して、「〜さん」と呼びかけることが必ずしも失礼に当たるわけではありません。
企業によっては「名字+さん」で呼ぶカルチャーもあるでしょう。
けれども、外部の人間なら、やはり「名字+役職」で呼ぶべきです。
その理由は、お医者さんとの会話を考えてみればわかるでしょう。
相手がどんなに若くても、お医者さんに「先生」という敬称を使わない人はいません。
年齢に関係なく、相手の立場が自分より上である場合は、敬称や役職で呼ぶのがルールです。
このルールを無視して「〜さん」と呼びかけてしまったとき、相手がちょっとした違和感を覚えて「ムッ」としてしまうことも珍しくはありません。