自分に自信がない…」職場で意見が言えない男の苦悩

恋愛がうまくいかない、仕事で成果が出ない、親友ができない、などあらゆる悩みを王生際ハナコが解決します! ケース6は「俺、自信が欲しいんです。どうすれば自信を持てるようになりますか?」と悩む、賢一(24歳)のお話です。

「こんにちは、王生際ハナコです」

そう言って現れたのがあまりに綺麗な人だったため、賢一は呆気に取られていた。てっきり地味な女が現れるものかと思っていた。

この日、賢一が「王生際ハナコ作戦会議室」に訪れることになった発端は、理沙子だった。理沙子は、賢一が気に入ってよく指名している風俗嬢だ。

自分は、物心ついた頃から一軍として生きてきた、と思う。スクールカーストでは常に上位にいたし、恋愛で苦労したこともない。付き合いたいと思う女子とはいつも付き合えたし、決して女に困っているわけではないのだが、賢一は風俗を定期的に利用している。好きなのだ。お金を払っている、という大前提があることの解放感というか、風俗嬢との関係値が心地よかった。普通の女は何もかもが男任せで、風俗嬢とするそれと比べるとずっと面倒くさい。食事デートや、そういう気分にさせる会話、恋をしている素ぶり(その演出としての小まめな連絡etc.)など、性行為への伏線を何一つとして用意する必要がないところも清々しい。

「賢ちゃん、何か悩んでるの~?」

そう理沙子に言われたのは、先週のことで、いつものホテルで楽しんだ後、終了時刻も近づいて帰り支度をしていた時だった。

「え、なんで?」

「んー、なんとなく? 触り方が、なんだかちょっと手荒だったから?(笑)」

「え、ごめん! 痛かった?」

「あ、ううん、全然そういうことではないんだけど! なんかちょっといつもと違うなーって!」

「あー……うん、ちょっと悩んでるのかも。 悩んでるっていうか、なんかモヤモヤしてて。 何があったってわけじゃないんだけど。いつものことなんだけど」

「そうなんだ。 あ、そうだ!」

そう言うと理沙子はポーチの中から一枚のカードを取り出し、それを賢一に差し出した。

「ここに行ってみれば? どんな悩みでも解決してくれるよ」

そして今、賢一の目の前には、王往生ハナコがいる。女が紹介してくる女はその女以下の女だ、と思って生きてきたが、そうじゃないパターンもあるらしい。何度も指名しているくらいなので理沙子のことはそもそも気に入っているのだが、改めて、あいつ良いヤツだなと感心する。

気がつくと、ハナコがじっとこちらを見ていた。そのことで、ハナコの自己紹介を無視してしまっていたことに気づく。

「あ、小野寺です、小野寺賢一です。よろしくお願いします」

するとハナコはニッコリと微笑み、持っていたノートを開いて、ピンクのボールペンと共にこちらに差し出してきた。

「お名前書いてもらっていい?」

言われた通りに名前を書いて戻す。

「賢一くんね! 今、何歳?」

「24です。今年25になります」

「そうなんだー」

ハナコは相槌を打ちながら、賢一が書いた名前の横にその情報を書き込んでいく。そして「最初に大切なことを伝えておくね」と前置きをするとペンを置いて、まっすぐに賢一の目を見た。

すげー可愛い……歴代の彼女たちの可愛いところを全部寄せ集めても全然太刀打ちできない可愛さだ、と思いながら、ハナコに合わせてとりあえず真剣な顔を作る。

「私は占い師ではないので未来の予言をする係ではありませんし、心理カウンセラーでもないので心の治療もいたしません。 私の仕事は、お悩みを解決することです。一緒に、あなたの人生の問題解決をします。具体的に言うと、あなたが欲しい未来を手に入れるための作戦を、一緒に考えるというわけね」

そうだ、俺は悩んでいるんだった。すっかりハナコの可愛さに気を取られていた。

「そのことのために、今日から取り組めるミッションを決めて、あなたの人生を動かしていきましょう」

はっきり言ってなんだかよく分からない。でも、ミッションという言葉の響きは好きだ。ゲームみたいで男子心をくすぐられる。

「で、今日はどうしたの? 何か悩みがあるの?」

「あ、はい。そうなんです、そうでした!」

他のことに気を取られていたことを暴露するような言い方になってしまった。ハナコの可愛さに気を取られていたとはバレてないと思うが。ハナコがクスッと笑ったので、賢一はキュンとした。

「なになに? どんな感じ?」

「えーと…どう言えば良いんだろう……とりあえずモヤモヤしてるんですけど、掴みどころがない悩みで説明が難しい…」

「そうなの? 恋愛系? 仕事系? それ以外?」

「あ、仕事です。仕事のことでモヤモヤしてます」

「そうなんだ、いつからモヤモヤしてるの?」

「うーん……とくにここ最近モヤモヤが強くなってきたんですけど、いつからって考えると、就職してすぐの頃からずっとモヤモヤしてるような気がする…」

「ほうほう。お仕事は何をしてるの?」

「サラリーマンです。旅行会社でツアープランニングの仕事をしてます」

「いつ就職したの?」

「大学卒業して新卒で入ったので、今年で3年目です」

「そっかそっか。じゃあ、今からそのモヤモヤの正体が何なのかを突き止めるための質問をしていくね」

そう言うとハナコはイエスとノーで答えられるくらい簡単な質問を次から次へと重ねてきた。

ワケが分からないまま答え始めた賢一だったが、4問目を過ぎたあたりで、だんだんとモヤモヤが具体化されていくような感覚を覚えた。そして5分もしないうちに、その正体に気づいた。

「ハナコさん! わかりました! 俺の悩みが何なのか!」

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人生の作戦会議!ーなんでも解決しちゃう女、王生際ハナコ

下田美咲

「恋愛がうまくいかない」「仕事で成果が出ない」「自分に自信がない」「運が悪い」など、あらゆる悩みを王生際ハナコが解決します! 占いでも、カウンセリングでもない、「人生の作戦会議」とは? cakes人気連載「下田美咲の...もっと読む

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コメント

shimodamisaki 「俺、自信が欲しいんです。どうすれば自信を持てるんですかね?」 約3年前 replyretweetfavorite

okameco 「一軍」の定義が学歴とか職業とかじゃなくてスクールカーストなとこがシモみあっていいw https://t.co/s7s4JSaLZn 約3年前 replyretweetfavorite