乗田綾子
中居だけは叫んでいた。「いけ!! 森いけ!!」
28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を公開する連載、11回目。依然ブレイクの兆しが見えないSMAP、巡ってきた「新春スターかくし芸大会」の鬼気迫る演目、その内容とは――。
売れない時期のアイドルについて、ジャニー喜多川はこう語る。
「一番大切なことは、メンバーたちの心の問題だ。こちらも必死だが、彼らもどうなるのか複雑な気持ちになっていく。もちろん一生懸命努力はしているのだが、そういうときは空回りが多い」
SMAPもやはり頑張っていた。
しかし、それが空回りに終わっていた。
これで終わりなのだろうかと、皆が思った。
直前リリースの最新シングル『負けるなBaby! ~Never give up』は、ついに過去最低の売上枚数を記録してしまっていた。
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この連載について
乗田綾子
転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む
著者プロフィール
1983年生まれ。筆名・小娘で2012年にブログ『小娘のつれづれ』を開設し、2014年からはフリーライターとしても活動。2017年に初の著書『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)を出版した他、現在は雑誌『月刊エンタメ』『EX大衆』『CDジャーナル』、ウェブメディア『週刊女性PRIME』でも執筆中。
Twitter:@drifter_2181