日曜の14時が理想? 自宅でのワイン会を成功させるヒント

「正義は安さにあり」がモットーのワインライター葉山考太郎さんに、ワインの味からレストランや家で飲むときの秘訣を教えてもらう本連載。最終回となる第8回目のテーマは、どのように、自宅でワイン会を開くかです。第1回から7回までは、自分が受け身になってワインをサービングしてもらいましたが、今回は、自分がお客様をもてなさねばなりません。ある意味、レストランと同じことをするのでかなり難しそうですが、コツを押さえておけば意外に簡単。ものすごく楽しくて、クセになります。安くて、時間をかけず、しかもスタイリッシュなワイン会を開く方法を解説していただきます。

レストランでワインを飲むのも楽しいが、自宅で気の合う友人とワイン会を開くのもものすごく盛り上がる。自宅でのワイン会の素晴らしい点を以下に挙げる。

(1)時間に縛られない
レストランでは、閉店時間まで粘ると嫌がられるが、自宅では時間を気にしなくてイイ。私の自宅ワイン会は、土曜日の1時ごろから始め、終電の時間か、ワインがなくなるまで続く。12時間のマラソンワイン会で、遅く参加する人、早く帰らなきゃならない人、途中で寝る人などいろいろ。それぞれがそれぞれの時間で楽しくなるのが素晴らしい。

(2)騒いでも怒られない
高級なフレンチやイタリアンは、カップル客を想定していて、ロマンチックで落ち着いた雰囲気がウリ。そんな店へ男ばかり6人が乱入して酔っ払うと、必ず、昔の彼女の話になる。これは、『源氏物語』の第二帖「帚木」の超有名エピソード、「雨夜の品定め」でも登場するほど自然な流れだが、お店には初デートの初々しいカップルもいる。そんな二人の隣で、「オマエ、佳代ちゃんと祐子ちゃんと二股してたろ?」とか、「宏美ちゃんの方が直ちゃんより■★が▲●だからなぁ」と大声で騒ぐと、二人の未来に希望はないし、店から出禁を食らう。そんな「楽しい噂話」で盛り上がれるのは自宅でのワイン会だ。

(3)安い
レストランでプロの食事を食べながらワインを飲むのは、至福の時。これもイイが、自宅で安くたっぷり飲み食いするのもイイ。レストランの4分の1以下の金額で楽しめる。

(4)小さい子供がいてもOK
赤ん坊がいるお母さんは、レストランでゆっくりワインを飲めなくて、フラストレーションがマグナム・ボトル分も溜まっている。自宅でのワイン会なら、床に新聞紙を敷き、乳母車ごと部屋に入れ、自分の席の後ろに置けば大丈夫。若いお母さん達からものすごく喜んでもらえる。

スタイリッシュにワイン会を開くヒント

自宅で開くワイン会の基本は、(1)手間暇やお金をかけない、(2)セルフサービスの2点だ。でも、貧乏臭くちゃダメ。安く、でも、スタイリッシュに自宅ワイン会を開くヒントを以下に示す。

1. 開催日時
夜7時から始めると、空腹なので全員にフルコースを作ったり用意する必要があり、一人で切り回すのは不可能。費用もかかる。理想は、休日の午後から始めること。例えば、日曜日の2時から開始すると、少しお腹は空いているけど、ガッツリ食べるほどではない絶妙の腹具合。主催者が用意する食事はツマミを並べる程度で十分。

2. ワインの調達
自宅のワイン会は、1人1本ワインを持ち寄るのが基本。全部のワインをまとめて開けて乱れ飲みするのが超級楽しい(なので、白やスパークリング・ワインは冷やして持参すると「さすが、プロ」と褒めてもらえる)。

どんなワインを持ってくるかで人間性が出る。「この白、480円なのに美味しくてビックリ。みんなにも飲んでもらおうと思って持ってきたの」はOKだが、安く上げるために480円のワインを持込むのはイエロー・カード。2,000円ケチることで、人間としての度量が2,000万円は下がる。

みんなが喜ぶのは、稀少ワイン、シャンパーニュ、デザートワインだろう。稀少ワインや珍しいワインが高価とは限らない。インドの高原で作った白ワインとか、山梨県産の辛口スパークリング・ワインなど、時間をかけて面白いワインを探すとよい。

3. 用意するもの
<皿・グラス類>
8人以上のワイン会になると、準備が大変だし、後片付けがもっと大騒ぎになる。事前の準備を最小限にし、洗い物の手間を減らそう。

(1)グラス
ワイン同様、グラスは消耗品。どんどん割れるので、安くて大きいものを用意する。激安量販店で200円も出すと、それらしいグラスが買える。シリアスな試飲会では、ワインが10種類あるとグラスも10個並べる。自宅でそうすると、テーブル上がグラスのジャングルになり、ボーリングのピンのように倒して大量に割れる。グラスは1人に1個で十分。飲み切ってから、次のワインに進む。 グラスは、簡単に割れるし、後で洗うのが面倒なので、「グラスは各自1個持込み、自分で洗って持って帰る」方式でもよい。酔っ払うと、誰のグラスか分からなくなるので、黒いマジック・ペンで台座に名前を書くといい。

ワイン・グラス以外に、水用のコップを用意しよう。ワイン界の帝王、ロバート・パーカーは、ワインと同じ量の水を飲む。水用のコップやグラスがなければ、プラスチックのカップで十分。

(2)食事を取り分ける皿と箸
ツマミを取る小皿1枚。もちろん、紙皿でOK。箸も割り箸がいい。

(3)ワイン・クーラー
スパークリング・ワイン、白、水を冷やす大きな容器が必要。5、6本をまとめて冷やせるワイン専用の大型クーラーは非常に高価なので、激安量販店に売っているゴミ箱や植木鉢で代用するといい。私は、骨董品屋さんにて4,800円で買った大型の陶製金魚鉢(火鉢でも可)を使い、12本冷やしている。もっと大量に冷やすなら、バスタブに氷水を入れるとよい。意外に面倒なのが氷の入手。オンザロック用の氷は高価。私は、スーパーでの生鮮食品用に「ご自由にお持ちください」と書いた無料のクラッシュド・アイスをレジ袋に満杯分もらっている。ジップロックに水を入れて冷凍庫で凍らせるのもイイ。

<食事系>
自宅でのワイン会での食べ物は、ツマミ系の手軽な物で十分。時間もお金もかけず、スタイリッシュなツマミを出すコツを解説する。以下の食材を高級食料品店やネット通販で揃え、さり気なくテーブルに置くとよい。「さり気なさ」が超重要で、「毎日やってます」感を出すには、(1)キレイに盛り付けすぎない、(2)パッケージのまま出す、(3)でも、安値であることがバレないように値札はキチンと剥がしておくこと。

(1)塩
少し灰色で、粒が大きいカマルグやゲランドみたいなフランス産の塩を入手する。塩なのに1箱1,000円もするけれど、「塩味が強いだけの日本産じゃないよ、高級な塩だよ」と「食文化のレベルの高さ」をアピールするための必要経費と割り切る。1つ買っておくと、1年は使える。

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ワイン恐怖症のためのワイン入門

葉山考太郎

「ワインに興味があるけれど、難しそう」と、ワインに恐怖心を抱いている人は多いのではないでしょうか。そんな人に向けて、「正義は安さにあり」がモットーのワインライター葉山考太郎さんに、ワインの味からレストランや家で飲むときの秘訣を教えてい...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 約2年前 replyretweetfavorite