cakes読者のみなさま、こんにちは。
秋が来た、と思ったらぶり返したかのような残暑続き、そして雨。でも、野菜の売り場を見てみると、確実に秋の味覚が並び始めています。
この時期の楽しみのひとつが、きのこ類。最近は年中見るけれど、天然物はやっぱり秋が本番です。しいたけ、しめじ、まいたけ、まつたけ、エリンギ、なめこ、ひらたけ、まだまだあるある。こうして思いつくままに書きながら思い出してみると、きのこ類って色や形などの見た目はもちろん、旨味と食感がどれも個性的で面白い。たとえばまいたけなんて、絵になる姿だと思います。以前サンフランシスコのファーマーズマーケットを取材したとき、アメリカの農家の方が作るMAITAKE Mushroomsがたくさん並んでいて、しかも人気だと聞いて誇らしく思ったことがありました。日本のスーパーでパック詰めされているまいたけとはまた違って、植木鉢みたいなボックスにたっぷり育った株ごとこんもりと並んでいて、その様子が力強くて綺麗だったんです。
ところで、きのこはどれも、食べる前に半干しすると旨味がぎゅっと締っておすすめです。適当に好きなものを買ったら、小房にほぐしてざるに並べ、半日から1日、軽く干します。これだけ。それを豚バラなど、ちょっと脂のある肉などと炒めて汁にすると、ザ・秋なスープになります。簡単できのこだしたっぷりの味は、うどんなんかを入れてもいい。食べるときに天かすをたっぷりふって、山椒をパラリとやるのがおすすめです。
と、ここまできのこ汁の話をしておきながら、今日ご紹介するのはきのこと余ったパンで作る炒め物、ミーガシュ。ポルトガルの気楽なお惣菜です。だってほら、ワインと合わせるから、それっぽい方がいいかなと思って。でも待てよ、きのこ汁でもワイン飲んでるぞ、私。
国民の多くがカトリック信者というポルトガルや、あるいはスペイン、イタリアなどでも、パンを使った料理がたくさんあります。イタリアなら、たとえばトスカーナのリボリートというパン粥や、スペインにはミガスというパンと具の炒め料理があります。いずれもパンくずや、硬くなったパンを料理に使うという、日常の生活から生まれた知恵レシピです。
ポルトガルのミーガシュは、パンをたっぷりの豚の脂、つまりラードで煮てからオムレツのように成型するものや、煮た野菜、豆などと一緒にオリーブオイルとにんにくとで和えるものなど様々ですが、今回はきのこの食感が生きるように、炒め合わせるレシピにしました。
では、パパッと作っていきましょう。
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「きのことパンのミーガシュ」
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