神田松之丞“絶滅危惧職”講談師を生きる!

第十回 インナーマッスルを鍛える

東京の演芸界では、若手の男性講談師が希少な存在である。神田松之丞は、絶滅危惧職と言っていいほどに成り手の少なくなった、その講談師だ。真打という近い未来を見据えて、彼はこれからどこに向おうとしているのだろうか。


撮影・青木登(新潮社写真部)

「日本講談協会のほうでも、芸協で昇進するまでは正式な二ツ目とは見なさないというか、仮免みたいな空気はありましたね。時期がずれたのは非常に合理的な判断なんです。二ツ目の披露目がある興行では、出番が終わっても一日残ってなきゃいけない。それが重なると大変だろうから、お前にとってもいいだろうと、周囲に配慮していただいた結果です」

 よく知られているが、落語家の場合は前座から二ツ目に昇進するとさまざまな制約が解除される。高座着一つとっても、羽織の着用が許されるなど、大きな違いが出てくるのである。講談の世界ではどうなのだろうか。

「そこは同じで、羽織袴が許されるという。でも最初は袴も自分でつけられなかったですね。人に着せるのはやってましたけど、自分でつけたことはないんで(笑)。やっぱり着流しで高座に上がるとお客さんにも舐めてかかられる節がありましたから、なりが変わるというのはありがたかったですね」

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新潮社
2017-09-15

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神田松之丞“絶滅危惧職”講談師を生きる!

神田松之丞 /新潮社yom yom編集部 /杉江松恋

ここ数年、演芸ファンの注目を集め続けている男がいる。 神田松之丞、1983年生まれの33歳。90年代以降、東京の講談界では入門者の多くが女性であり、日本講談協会にも、もう一つの講談団体である講談協会にも、彼以降に入門して現在まで現...もっと読む

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