ドストエフスキーは床に落ちたペン軸を拾おうとして死んだ!?

肺の病気には、肺がん以外にも結核、喘息、肺気腫などがあり、あの文豪ドストエフスキーも肺の病気で亡くなったのだとか。では、何が理由で肺機能が壊れてしまうのでしょう? 作家の久坂部羊さんは「肺気腫の症状は、本来なら3LDKでゆったり暮らしている家族が、三畳一間に押し込められるほどの息苦しさ」だと言います。食事をするのも青息吐息……。医療小説の奇才が、息をしすぎて苦しくなる肺の不思議を徹底解剖します!

結核は過去の病気ではない

肺がんのほかにも、肺の病気はたくさんあります。

肺結核は抗生物質の発達で過去の病気のように思っている人も多いでしょうが、今も年間に1万8千人ほどの患者が出ています。そのうち半数が70歳以上で、免疫力の低下した高齢者には由々しき問題です。高齢者ばかりでなく、若者にも患者は発生していて、2009年には、お笑い芸人ハリセンボンの箕輪はるかさんが発病して、隔離入院となりました。このとき、漫才のライブに来ていた客が、感染したのではと、一時、騒ぎになりかけましたが、相方の近藤春菜さんにうつっていないのですから、客席に菌が飛んでいる可能性は低いでしょう。

結核にはBCGという予防接種があり、日本人はほぼ全員が受けていますが、子どものころに受けたBCGは、成人では約半数しか効果がないので注意を要します。抗生物質が発見されるまでは、結核は死の病として恐れられ、新撰組の沖田総司(1844~1868)、長州藩の高杉晋作(1839~1867)、歌人の正岡子規(1867~1902)、作家の樋口一葉(1872~1896)、画家の青木繁(1882~1911)などがこの病気で若くして亡くなっています。ペニシリンの発見以後、治癒率は高まりましたが、まだ完全に制圧されたわけではなく、今も高齢者を中心に毎年2千人ほどが亡くなっています。

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久坂部 羊

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コメント

tomshirai 子どものころに受けたBCGは、成人では約半数しか効果がない 1年以上前 replyretweetfavorite

nerospecchio111 クソリプするけど、抗結核薬はペニシリンじゃなくて、リファンピシン・イソニアジド・ピラジナミド・エタンブトールだし、過換気症候群にはペーパーバッグはしないってのになってもう長い気がするけど。。 https://t.co/UyTmQoGldo 1年以上前 replyretweetfavorite

marekingu #スマートニュース 1年以上前 replyretweetfavorite

s_1wk 「少しだけのんで、服薬をやめる…これを繰り返すとどんどん強い菌が増殖することになります」 1年以上前 replyretweetfavorite