免許取りたて、首都高デビューでTDLに向かう勇気

車の免許を取得したばかりの人が首都高に乗るのは、かなり難しいはず。だが小森谷くんは彼女とディズニーランドに行くために、初めての首都高に挑むのだった。そして、無事にたどり着いた場所はなんと……。
末期がんを宣告された男性の❝ありそうでなかった❞半生を描いた、『小森谷くんが決めたこと』を特別掲載!

 何でも無茶をするというか、頭の隅々まで楽観論が染み渡っている彼は、初ドライブ先にディズニーランドを選んだ。

 首都高速は若葉マークに甘くはなかった。

 彼は泣きそうになりながらステアリングを握り、内心怯えていた文子さんは強くシートベルトを握った。

 猛烈な勢いで走る車のなか、彼が実家から借りてきた軽自動車は、幹線道路に迷い込んだ小カルガモのような感じだ。

 だが彼はやりとげた。ディズニーランドを視認した彼女は嬉しそうな声をあげ、こっちだ、と彼はステアリングを切る。

 もうすぐだった。もうすぐ二人は念願のディズニーランドに着く。

 そこは日野の川原とか八王子の公園とかとは違う。ミッキーやミニーやドナルドやグーフィーが、二人を待っている。

 Dioの二人乗りでは決して辿りつかない、憧れのディズニーランド。

「モリ、くん?」

「文、ちゃん……。ここは一体」

 首都高を降りて、着いたと思って車を駐めたのだが、何故だか目の前に巨大なガスタンクが聳えていた。

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余命2か月といわれた男—小森谷くんが決めたこと

中村航

僕、余命2ヶ月って言われたんですよ。でも、生き残っちゃいましたけど――。末期がんを宣告された30代男性の“ありそうでなかった”半生を、「100回泣くこと」の著者・中村航が小説化!

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