芸人なのに名刺作成。でも、そのおかげで年収65万円アップ!

漫才コンビ・天津として400万円上の収入を得ている、向清太朗さん。所属事務所のマネージャーさんから教わった「マニュアル人間になる」という方法で、本のイベントMCや漫画のコラムなどの仕事をゲット。さらに10万円の年収増に成功します。そんな向さんが今回披露する年収増の秘訣は「会話を始められるフックを作る」ということです。ただ、狙いすぎないのも大切なようです。


会話を生む方法


 僕は飲み会などが苦手です。全然知らない人だらけの飲み会は、特に行きたくありませんでした。というのも、もともと人見知りな人間なので、そういう場所に行っても少しも会話が続かないからです。

 勇気を振り絞って話しかけてみても、

「お一人ですか?」

「あ、はい」

「僕もなんですよ」

「そうなんですね」

「………」

「………」

 そこから無言が続きます。もはやなんで話しかけたんだ、と思ってしまうレベルの無言です。

 その性格のままでいいなら全然問題ないのですが、どっちかというとミーハーで、好きな漫画家さん、関係者などとは仲良くしたいという気持ちは持っている僕です。どうしたものかと考えていました。

 そんなある日、4コマ漫画の『わさんぼん』を描かれている佐藤両々先生から「ご飯行きませんか?」と連絡がありました。両々先生は4コマトークのゲストに来てもらってから連絡をたまに頂けるようになっていました。僕は相変わらず人見知りなのですが、先生は明るい方なので僕をいろんなところに誘ってくださり、普通に会話出来る関係になっていたのです。

 その日、誕生日プレゼントで先生の絵が入った名刺入れを頂きました。嬉しかったのですが、僕は名刺を持っていないので申し訳ない気持ちになりました。

「あ、すみません。僕、名刺を持ってなくて」

「そうなんですね。じゃあこれを機に名刺を作ったらいいじゃないですか」

 すごいポジティブな考え方だ、とビックリしました。そうか。作ればいいか。いや、だけどなあ……。

「でも両々先生、芸人は顔が名刺と昔から言われてて、名刺持っている芸人ってほぼいないんですよ」

「そうなんですね。じゃあ名刺を持っているってことは目立っていいですね」

 先生のポジティブは止まりません。しかし、よく考えるとその通りなのです。名刺を持っていないのが当たり前なら名刺を出すと「珍しいですね」という会話になる。ということは会話のとっかかりが作れる!

「先生、ありがとうございます! 名刺作ります!」

 僕は次の日、名刺を作りました。名刺には「芸人 天津・向」と書き、裏には今までやった仕事などの経歴を書きました。

 作った名刺が家に届いてすぐ、飲み会に誘われました。それはアニメ関連のお仕事をされている人達の飲み会でした。ただ、知り合いはほとんどいない席です。いつもは尻込みしてしまいますが、僕は名刺入れをポケットに入れて飲み会に参加しました。

 飲んでいると、横にいた人が声をかけてくれました。

「天津の向さんですよね? 応援しています!」

「ありがとうございます! あ、ではこれを……」

 僕は初めての名刺を渡しました。

「えっ!? 芸人さんなのに名刺持っているんですか?」

「そうなんですよ! やっぱりこんな時代ですから覚えてもらわないとと思って」

「へー! すごいですね! あ、この番組見てましたよ」

「わー! 本当ですか! 嬉しいです!」

 会話はある程度続いて終了。僕は、名刺でなんとか会話の打席に立つことが出来ました。この打席に立てるって、けっこう大事なことなんだなと思いました。


 そう考えると、相手も何か会話のきっかけが欲しいのではないか、と考えるようになりました。むこうが何を喋りたいのか。本当になんでもいいので、質問を投げるようにしてみました。すると会話はより長くなり、その人の人となりが分かるようになってきました。

 そしてある時飲み屋で知り合いに名刺を渡すと「アニメ好きなら可愛いイラストとか入れたら?」と言われ、僕は衝撃を受けました。その通りだと思い、翌日またデザインをお願いして名刺を新たに作りました。

 名刺第2弾が出来てから少し経ち、また別のアニメ関係者の飲み会の時のことです。名刺を渡すと相手が「可愛いイラストですね」と食い付いてくれました。それに対して「アニメ好きなんです」と自然とアニメの話に出来るようになりました。するとその方から「そうだ! ちょうど今うちがやるイベントのMC探してたんですよ! もし良かったら向さん、どうですか?」とアニメイベントのMCの仕事をもらえることになりました。

 それだけじゃありません。そういう飲み会でお会いする今まで関係のなかったジャンルの人とお喋り出来るようになったことにより、皆が持っている僕のイメージも多少変わってきたというのもありました。

 皆さんのイメージの中の僕はアニメ好きというものだけでしたが、もともとギャンブルは大好きです。そういう飲み会の席でパチンコも麻雀もしていた、という話になると「そうなんだ。知らなかった。じゃあ今パチンコの仕事とかあるし、またそういう事もお願いしますよ」と言って頂き、今まで来ていなかった『パチンコ屋のホールに行ってお客さんとふれあい、その後はパチンコを打つという仕事』や『プロ雀士が麻雀を打つのをCSで流しているので、その様を実況解説をする』という仕事も入るようになりました。


 人見知りの僕には、相手に会話の先手を打ってもらうのが良かったのかもしれません。そのきっかけが僕の場合は名刺だったのですが、他にも考えられると思います。ネクタイの柄かもしれないし、携帯のストラップなのかもしれないし、眼鏡の色かもしれません。何か会話になり得る『フック』を作ると、会話の糸口になるかもしれません。


無言で会話を始めるフックを作れ(狙いすぎないやつで)


  アニメ系のイベントMC  +25万円

  パチンコ、麻雀の仕事   +40万円

  合計年収         +75万円

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向清太朗

かつて一世を風靡した「あると思います!」のエロ詩吟でおなじみ、天津・木村“じゃない方芸人“の天津・向清太朗。世間では【売れてない芸人】と思われている彼の年収は、800万円です。テレビで見ることは、ほとんどない。昔、大ウケしたネタがある...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 約3年前 replyretweetfavorite