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こんにちは、きのコです。
突然ですが、この連載は今回から「私、恋人が1人しかいません。」になります。
……というのはつまらない冗談ですが、今回は恋人の一人・Fちゃんと私が別れた話をしたいと思います(Fちゃんについては、「『同性の恋人VS異性の恋人』問題」に書いています)。
Fちゃんの冷たく激しい言葉
きっかけは、Fちゃんと私との共通の友人でした。
あるとき、私はその友人と言い争いになり、きつい言葉を投げかけられました。ショックを受けた私は、Fちゃんに「あの人からこんなこと言われて、すごくつらい…」と愚痴をこぼしたのです。私にしてみれば、恋人に対するささやかな甘えのつもりで、Fちゃんに慰めてほしい、という気持ちがありました。
ところが、Fちゃんからの反応は私の想定とはまったく違うものでした。
「きのコさんが私の友達を悪く言うと、私もその人のことを嫌いになってしまう」「だから聞きたくない。甘えるな」と冷たく激しい言葉が返ってきたのです。友人とのいざこざで落ち込んでいた私にとって、Fちゃんの言葉は追い討ちをかけるものでした。
そうは言うものの、Fちゃん自身は私の好きな人たちについてたびたび愚痴を言うのです。私はもちろん好きな人たちのことを悪く言われて嬉しくはないのですが、Fちゃんの不満に向き合うことの方が恋人としては大切だと考え、「それはつらかったね」と受け止めるように努めてきました。
しかし、逆に私がつらい思いをしたときにFちゃんにこのような反応を返されたことで、私のなかに「私はこれまでFちゃんをこんなに甘やかしてきたのに、Fちゃんは私がつらい時に甘えさせてくれない……。つらい時に支え合えない『恋人』ってなに??」という不満が生まれ、それをFちゃんに伝えられないままに積み重なってゆきました。
Fちゃんと旅行に出かけたものの…
そんな気持ちが私のなかでわだかまっていたころ、Fちゃんに別の恋人ができました。
今までもFちゃんに恋人ができたり別れたりという状況は傍でよく目にしてきたし、それを気にも留めなかった私でしたが、なぜか今回は違っていました。Fちゃんが新しい恋人のノロケを口にするたびに、無性に寂しくなって、嫉妬心が湧き起こるのです。
「私のことも大切にして」というひとことが言えないまま、寂しさはつのるばかりでした。
「終わりにしよう」と思ったのは、Fちゃんと旅行に出かけたときでした。
旅のあいだも、Fちゃんは新しい恋人の話ばかり。「もう、私のことなんてどうでもいいんだな……」と私は完全に打ちのめされました。
そして旅行からの帰り道、私はFちゃんに別れを告げ、恋人関係を解消したのです。
Fちゃんと別れてから、私は自分の気持ちの揺れ動きをあらためて反芻してみました。
私にとって「恋人」って、あるいは「Fちゃん」ってどういう存在なんだろう……?
「恋人だからって、私をネガティブな感情のゴミ箱にしないで」……Fちゃんが言いたかったのはそういうことなのだと思います。
しかし、私自身のなかには「恋人には、悲しくなった話や、腹が立った話も聞いてほしい。逆に悲しいときや腹が立ったときにはその話を聞かせてほしい」、そして「私はFちゃんの愚痴を聞いてあげてるんだから、Fちゃんにも愚痴を聞いてほしい」という気持ちがあったことに気付きました。
捨てられるのが怖かった
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