チャールズ・ブロンソンとは?
いまこそ、ブロンソンの男気を伝えよう!
田口 まずこの本の読者で、この写真の人がチャールズ・ブロンソンだってどのくらいの人がわかるんですかね。
みうら もうマンダムのCMも知らない世代でしょ。
田口 僕らのころは、誰でも「う〜んマンダム」って真似をしたものだけど、若い人は知らないのかあ。
みうら 当時いちばんのイケメンだったアラン・ドロンと共演して、この顔で人気を奪ったのが’68年のことだからね。
田口 「この顔でトップスターになった」って、当時でもびっくりだもん。
みうら いままで二枚目がかっこいいと思われていたのを、’70年代にブルース・リーとブロンソンが登場して衝撃を与えたんだよね。
田口 それまでなかった価値観。しかもブルース・リーは亜流もモノマネも山ほど出たけど、ブロンソンは最後までオンリーワンだったしね。
みうら しかもそんなブチャムクレフェイスで主演っていうのも驚くけど、後から、すごい愛妻家とか、ファミリー主義って知って、ますますぐっときたよね。
田口 日本の映画会社が呼ぼうとしたとき、家族全員でなきゃ来日しないって条件を出すから、実現しなかったんですよ。ビッグダディのはしりですよ(笑)。
みうら ブロンソンの奥さんのジルは、ジョンにとってのヨーコみたいなものでしょ。なんで有名じゃないんだろう。
田口 名作に出てないですから(笑)。ブロンソンの映画は、基本的に同じ話だし。
みうら 代表作の『狼よさらば』シリーズとかほかの映画でも多いのが、妻や子、大事な人を襲われたり殺された主人公が、悪者たちに自ら復讐していくって話なんだよね。
田口 基本は「自警団」なんだよね。「暴力寅さん」(笑)。
みうら 子を持つ親としては、ブロンソンの気持ちはわかるよ。でも、ただの復讐じゃなくて、ブロンソンはすごい武器持ち出してバリバリ殺して回るからね。その度を越えたところが、いまいち感情移入できないんだけど(笑)。
田口 「目には目を」じゃなくて「目にはバズーカを」がブロンソンですから(笑)。でもブロンソンの自警団思想、家族第一主義って、いまこそ大事ですよ。震災や原発、憲法や戦争のことで、国や人を批判するのも必要だけど、まず自分は家族を守ってるのか? って。
みうら 自分にいちばん近い人を守れなくて、それより大きなものなんか守れないもんね。
田口 ブロンソンの映画も、ブロンソン自身も、そのシンプルなところがブレないんですよね。この顔になれば、きっとそれが早くわかる。
みうら 若いときって、自分の可能性っていくつか道があるように誤解してるんだよね。だから大事なことがわからない。でも、この顔になってみればすぐわかるよ。余計なことができないもん……でもまあ、朝起きて本当にこの顔になってたら初日は寝込むけどね(笑)。
田口 これは夢であってほしいって、とりあえず二度寝するよね(笑)。
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