あの人と深いところへ

古市コータローと亀本寛貴の、いつもよりちょっと深いところ。(後編)

かつてエリック・クラプトンは、「ギターを弾くときはいつだって、初めて弾いた時の気持ちを忘れてはいけない」と言ったという。「THE COLLECTORS」の古市コータローと「GLIM SPANKY亀本寛貴は、そんな初期衝動そのままに「ギタリスト」でありつづける二人だ。年齢は倍、キャリアは3倍違う二人でも、その情熱に差異は存在しない。時代を跨いでロックの波をおよぐ、ギタリストたちの初邂逅。

*再掲になりますので、日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブは終了しています。

亀本 僕らはやっぱりロックバンドはテレビに出ないもんだっていうので育ってたんで、じゃあ僕らは出ようってなった世代かも知れません。よくウチのボーカルが言うんです。「カッコイイことをやってるなら出ればいいじゃん」って。せっかくカッコイイことやってるなら、見てもらった方が当然いいですよね。

古市 そりゃそうだよね。ものを作ってるんだからさ、一人でも多くの人に聴いてもらった方がいいよ。俺は人に“聴かせる”ことと“みせる”という感覚は昔から強かったです。見られてナンボの仕事だし、それを選んでるわけだから。そういう人たちをカッコいいな思って見ていたし、俺もそう思わせたかった。

亀本 僕らが高校生の頃に流行ってたバンドって、服装にしてもあまり衣装っぽくないというか。Tシャツにジーパンとかの人が多かったんです。で、レミさんも「そんなキラキラした衣装じゃなくて、Tシャツとかジーパンでいいじゃん」って言ってて。でも実際バンドを始めると、あらためてカッコイイ衣装が着たいと思うようになったんですよ。自分が普段聴いてる人って革ジャン着てるし、ジャケット着てるし、自分もそういう格好したいなって。元々私服とかもあんまり興味なくて、お金があったらおもちゃとかに使っちゃってたタイプの人間なんですけど。

—今日はローリングストーンズのTシャツなんですね。それは古市さんとの対談を意識して選んだんですか?

亀本 そうなんです。本当は古市さんが<tangtang>と作ってる“BLUES”っていうTシャツを普段からよく着てるんですけど、今日着てきて古市さんとカブっちゃったら画的にマズいからやめとこう、って。だけど、ちょっとそれっぽくしたいと思ってストーンズの中から選んできました。

古市 俺も今日ストーンズ着てくるとこだったよ(笑)。

本 (笑)。僕、そもそも服をそんなに持ってないんで、そこまで数は多くないんですけど、バンドTは好きなんです。わかりやすいじゃないですか。“この人これが好きなんだ”って。そう言いたいし、それで仲良くなれたら儲けもんだなって。

古市 好きでもないバンドのTシャツは着ないの?

亀本 着ないですね。

古市 俺、ぜんぜん構わず着ちゃうんだよなぁ(笑)。飲み屋で飲んでて、外人とかが「お前このバンド好きなのか!」って話しかけてくるんだけど、「全然」ってこたえてる(笑)

亀本 僕はそうなった時に盛り上がりたいです(笑)。

古市 俺はもともとTシャツで自己主張をしようっていう発想がないからね。今日は晴れてるから白にしようっていうくらい。

亀本 僕もそのくらいしかこだわりがないですけどね。

古市 そうなんだ。ポール・ウェラーが、Tシャツとジーパンでステージに立ってた時期があるんだけど、ステージ上ではその格好だけど私服はスーツなのよ。だからポール・ウェラーはその時そういう音楽を嗜好してたんだろうね。ニール・ヤングとか、その辺を。あれは衣装だったんだと思うし、それもこだわりだよね。

—ライブと言えば古市さんは30周年の武道館ライブを終えたばかりですけど、節目ということもあって、かなり盛り上がっていましたしね。

古市 盛り上がりましたね。本番前に袖にいたんだけど、武道館をやったことある人たちが「歓声が楽屋まで聞こえるよ」って話していて、俺は「本当かよ?」って思ってたんだけど、すごいのね。フェスなんかでも同じような感覚はいっぱいあるけど、ワンマンのあの歓声はやっぱり違うね。フェスも盛り上がるけど、熱さが違うというか。自分たちだけを見に来た人の強さというか。



古市コータローさんのblogより

亀本 僕らは正直、武道館を目標にして、とかって別になかったんですけど、今のお話を聞いてたらやってみたくなりますよね(笑)。僕も大きいところ大好きですし。

—グリムスパンキーではワンマンの野音が近づいてますよね。

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ミーティア編集部

あの人とこの人? アーティストやミュージシャンの意外なつながり、この街でこんなことが? 街にひそむ楽しいはなしなど。「いつもよりちょっと」深く掘ってみます。

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