あの人と深いところへ

古市コータローと亀本寛貴の、いつもよりちょっと深いところ。(中編)

かつてエリック・クラプトンは、「ギターを弾くときはいつだって、初めて弾いた時の気持ちを忘れてはいけない」と言ったという。「THE COLLECTORS」の古市コータローと「GLIM SPANKY亀本寛貴は、そんな初期衝動そのままに「ギタリスト」でありつづける二人だ。年齢は倍、キャリアは3倍違う二人でも、その情熱に差異は存在しない。時代を跨いでロックの波をおよぐ、ギタリストたちの初邂逅。

亀本 ギター、蒐集されてますか?

古市 いや、全然。処分したんで今は20本……いや、もうちょっとあるかな。それくらいですね。新しいギターを弾いてみたいって気持ちは昔も今もあんまりなくて。出したい音があるんだけど手持ちのギターだと厳しいな、みたいな必要に迫られてのことはあるけどね。

亀本 僕はメーカーさんとかから借りてるものも含めて10本前後しかないです。ただ、聴いてる音楽によって欲しくなっちゃうことが多くて。この前、ロビー・ロバートソンが『ラストワルツ』で使ってた、リアだけハムバッカーのストラト(ストラトキャスター)があるんですけど、それが“フェンダーのカスタムショップから出る”って聞いて、めっちゃ欲しい! って思って調べたら200万円。何それ……と思って買えなかったんですけど(笑)。シグネチャーモデルとかもそうですね。この曲は気分がジミヘンで行くぞ! と思ったらそういうギターを持ちたくなっちゃうし。

古市 へぇ〜。

亀本 弾いてる時もこのフレーズのこのポーズは誰々!っていうのがあって。この曲の一番格好いいところがここだから、この人と同じギターを使いたい!とか、そういう感覚ですね。

—ちょっとファッション的な側面も強いのかもしれないですね。

古市 でも僕、ギターはずっとファッション目線ですよ。いつも言うんですけど、ギターはジーパンとか革ジャンと同じ扱い。僕がギターを始めた頃、1977年くらいだったんですけど、世の中はフュージョンブームだったんですよ。で、その人たちはテクニックもすごいから、ギターを格好いいと思ってもあんなの弾けないと思ったの。だけど、その時にピストルズ(セックス・ピストルズ)のPVを見て“これならイケんじゃないの!?”と(笑)。そう思ったのと同時にハンマーで殴られたような衝撃を受けた。中学校一年生でしたから、すっかり持ってかれちゃったんでしょうね。


—最初はうまい下手よりもファッションとかスタイルでハマっていったんですね。

古市 そうですね。俺は音楽の成績も2だったし、元々期待してなかったですよ(笑)。音楽が2で体育だけずっと5っていう一番イヤなパターン。最悪ですよ(笑)。

亀本 僕も割とそうでしたね。音楽会とかでリコーダーか鍵盤ハーモニカのどちらかをやらなくちゃいけなかったんだけど、あれが苦手で。

古市 リコーダーやった? 俺、あれできなくてさぁ(笑)。運指ができなくて。

亀本 でもギターやった後だと動かしやすくなってますよ。僕、この前100円ショップで売ってるおもちゃのリコーダー押さえたんですけど、なんかうまくなってましたね。

古市 口はダメでしょ?

亀本 吹く方はダメでしたね(笑)。でも小指とかが言うこと聞くんですよ。昔より。

古市 俺、最近トランペット習ってたんですよ。でも難しい。ギターの運指が生かされてる感じもまったくないし(笑)。あれ、楽器の中で一番難しいんじゃないかなと思ったくらい。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
あの人と深いところへ

ミーティア編集部

あの人とこの人? アーティストやミュージシャンの意外なつながり、この街でこんなことが? 街にひそむ楽しいはなしなど。「いつもよりちょっと」深く掘ってみます。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません