佐々木俊尚×影山知明トークイベント 対談編その2【第65回】

ジャーナリスト・佐々木俊尚さんの『そして、暮らしは共同体になる。』刊行記念に行われた、「シェアする暮らしのポータルサイト」代表の影山知明さんとのトークイベントをお送りいたします。本の内容についてはもちろん、さらなる未来に向けたお話に刺激をうけて、会場からも活発に質問が寄せられました。イベントの後半にあたる対談・質疑応答を全3回でお届けします。前半の佐々木さんの講演も、ぜひあわせてご覧ください。

影山知明(以下、影山) もうひとつ、キーワードとして「街」ということを取り上げていらっしゃいました。本の中でエドワード・グレイザーさんの『都市は人類最高の発明である』という書籍が紹介され、引用もされています。今日のお話ではどちらかというと地方部の例が多く挙げられていましたが、反面、東京はどうなんでしょう。都市がこれからどうなっていくのか、どのようにお考えですか。

佐々木俊尚(以下、佐々木) 都市というのは必ずしも東京だけではなくて、地方都市も入るんです。東京にいるとつい、東京と田舎の二つに分けてしまうけど、正確に言うと、東京と田舎と地方と3つある。地方がわかりにくいとすれば「郊外」、もしくは「地方都市」ですね。東京と、たとえば埼玉のような郊外があって、山あいの過疎地(田舎)がある。3つの段階でそれぞれ抱えている問題は違います。

東京に関して言うと、高齢化が遅れてやってきます。今は地方や田舎が先に高齢化していて、とくに過疎地の多くは70〜80代なんですよね。一気に高齢化が進んでいます。東京の高齢化が進んでいないように見えるのは、そういう世代の人たちは田舎に残っていて東京に来ていないからなんです。いま東京に来ている人たちは、高度経済成長時代以降にぐわっと東京に来た、つまり一番上は団塊の世代です。1946〜1950年生まれくらい、年齢で言うと65〜70歳。あと10〜15年経つと、一気に後期高齢者入りしてお年寄りになるので、2020年のオリンピックが終わったころ東京の高齢化が一気に進む。そうなると病院も福祉施設も足りなくなり、老人だらけになって活力もなくなっていくので、そのあたりから地方のほうがいい、ということになるでしょう。あまり語られていないのですが、一部の学者は指摘しています。

影山 いまは地方移住を政策としても促進しているけれども、そのタイミングで一気に、自然に地方への移動が起こっていくかもしれないですね。

佐々木 そうなることが徐々に見え始めた段階で、Iターン、Uターン的な地方移住は加速すると思っています。いま先見の明のある若者たちがどんどんIターンをして、地方で新しい街やコミュニティを作っているので、そこに集まる人がさらに増えるでしょう。ある程度地方コミュニティが拡大充実し、東京が空洞化する可能性はあると思っています。

影山 なるほど……。

僕からはあと2点ほど質問をさせていただいて、質疑応答にうつりたいと思います。

今回の本では、「ゆるゆる」がキーワードだとおっしゃっていました。「ゆるゆると、めんどうごとから解放され、難しくなくて気持ちのいいこと」、それは食であったり住まいであったり衣服であったり、さまざまな点から語られていますが、こうした「暮らし」がある一方で、「働く」こと、端的に言えば「お金を稼ぐ」ことはどうなっていくのでしょうか。本を読んで、本当にこういう暮らしが実現したらいいなと思う一方、実際は「日々の仕事が大変で時間がうまくとれない」、「現実的ではない」と思う方もいるのではないかと思いました。

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ジャーナリスト・佐々木俊尚が示す、今とこれからを「ゆるゆる」と生きるための羅針盤

そして、暮らしは共同体になる。

佐々木俊尚
アノニマ・スタジオ
2016-11-30

この連載について

初回を読む
そして、暮らしは共同体になる。

佐々木俊尚

ジャーナリスト・佐々木俊尚さんの最新刊『そして、暮らしは共同体になる。』がcakesで連載スタート! ミニマリズム、シェア、健康食志向……今、確実に起こりつつある価値観の変化。この流れはどこへ向かうのでしょうか?深い洞察をゆるやかな口...もっと読む

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anonimastudio 対談編その2、公開しました! @cakes_news: 2年弱前 replyretweetfavorite