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20年間も家族に生活を秘密にしている姉のこと
はじめまして。42歳、LGBT、画家です。
スイスイさんのこの相談コーナー毎回真剣に読ませてもらってます。若干僕もメンヘラです。
相談させて欲しいのは、姉と、その彼氏のことです。 姉はその彼と付き合ってもうかれこれ20年にもなります。
その彼はとても猫好きで、ものすごく繊細で、過去に対人恐怖症やパニック症になったりいわゆるガッチリ、メンヘラ気質の彼です。
姉はと言うと、僕から見て、神経症的な精神構造とは全く無縁の、いわゆる健全な、悪く言うとちょっと無神経なところすらある女性です。
その2人はお互いつかず離れつの距離にそれぞれアパートを借りていて、晩ごはんだけは一緒に食べているという生活をしているようです。
そしてまた、それぞれ猫を飼っていて、彼の方は2時間おきに起こしに来る猫に生活の全てを合わせるというほどの溺愛ぶりです。姉のほうにも猫エイズの猫がいるのですが、姉は仕事が忙しく、夜の11時くらいに帰ってやっと面倒を見ているという感じです。
彼は当然そんな姉の適当さには納得していません。昼過ぎに終わる仕事をしている彼が、その猫の面倒も、姉が帰るまで見ているようです。2人は東京都に住んでいるのですが、姉はここ数年、田舎の実家に帰ってきていません。彼が悲しい顔をするというのです。病気の猫を一人置いて、外泊するなんて、猫がかわいそうだ!と本気で嘆き、涙すら流すらしいです。彼にとって猫はかけがえのない存在になっています。
普通の感覚からすると、え!そこまで?と思ってしまうのですが、ものすごく!その彼は純粋に猫を愛しています。
姉もそういう彼をリスペクトしていて、たまにうざいとかボヤいてますが、その彼の要求にはほぼ答えています。ではなにが問題なのかというと、僕から見て、猫のために純粋に生きている二人が、どんどん社会性を無くしてしまっているように感じるということです。
姉はこの彼氏のことを親や兄には話していません。20年もですよ? 家族の中で僕しか知らないのです。彼のことを理解できないだろうというのが、理由です。心ない刃が彼に向かうのを姉は恐れています。家族の集いにも容易に参加できない姉が不憫で、でもだからと言って、部屋でひとりになる猫を思って号泣するような彼をむげにもできず。重労働の上に、彼の意向に添おうと仕事は直行直帰。長年僕も誰にも相談できずに考えてきました。
スイスイさん、どう思われますか? 僕のつたない文章でわかりにくいかもしれませんが何かアドバイスくださると幸いです。長々と失礼いたしました。
(タケシ・男・42歳・画家兼ドライバー)
あなたが落としたのは金の斧ですか? 銀の斧ですか? 愛ですか? 仕事ですか? 意地ですか? 自由ですか? 協調性ですか? 信念ですか? お金ですか?
人生には、落とした斧案件なんかより切実な選択を迫る女神がたびたび目の前に現れる。
愛についての女神だけでも相当な出現数で、そのたびに自分に向き合い答えを出す必要がある。
ただしすべての選択に模範解答はない。
同性を愛する人、異性を愛する人、猫を愛する人、メンヘラすぎて自分を強く愛する人…… 愛の指針は人それぞれで、そもそも愛を優先して生きるかどうかも「人それぞれ」すぎるから。
自分自身の気持ちに誠実に生きているあなたこそ、そう思ってる気がするのだけど、なぜ「猫を愛する彼を愛する姉」のことを「人それぞれ」で片付けられないのか。
それはあなたがメンヘラの代表的特技「シンクロ(同期)」をしてるからだと思う。