フジロックのダークホースは「桑田研究会バンド」だった
柴 那典(以下、柴) 大谷さんは今年の夏フェスいかがでしたか?
大谷ノブ彦(以下、大谷) まず、フジロックにめちゃくちゃたくさんのお客さんが来たのは、素直にいいことだなと思いました。
柴 そうですね。今年の来場者は延べ12万5000人だったらしいです。
大谷 コアなフジロッカーだけではなく、ライトな層がたくさん来ていたっていうのは、いいことですよね。
柴 会場にゴミが多かったとか、いろいろ問題はありましたけどね。
大谷 エイフェックス・ツインがすごかったらしいですね。映像がヤバかったって。
柴 そうなんですよ。僕もその時は別のステージにいて見れなかったんですけど、観客の顔とかその日の出演アーティストとかマツコ・デラックスみたいな日本の芸能人とか、ひたすらいろんな人の顔がエイフェックス・ツインの顔に変わっていくという。
大谷 ゴリラズとかThe xxとか、映像を含めたステージングというのが、今の時代っぽい感じがしますね。
柴 コーネリアスとかアヴァランチーズも素晴らしかったですね。ステージの後ろ全部がヴィジョンになるんですよ。フェスはワンマンと違って映像の演出に凝るのは難しいというのが定説だったけれど、状況が変わってきた。
大谷 あと、今年トリビュートバンドがすごい盛り上がってたみたいじゃないですか。特に「桑田研究会バンド」っていうサザンの曲をやるバンドがすごかったって。
柴 そうなんですよ。去年からできたオレンジカフェという奥のエリアの小さなステージにトリビュートバンドが出るようになった。
大谷 桑田研究会バンドのやのっちって、僕の友達なんですよ。シアターDっていうお笑い劇場があったんですけど、そこの支配人だったんです。
柴 へえー! そうなんだ!
大谷 で、映像見たらとにかくステージの多幸感がすごいんですよ。『みんなのうた』では大合唱が起こっていた。しかも桑田研究会の前は、松田聖子のモノマネ芸人のまねだ聖子だし(笑)。
柴 ほかにもアバとかカーペンターズとかデヴィッド・ボウイとか、いろんなトリビュートバンドが出てましたね。
大谷 今はそういうのもアリになってるんだって。フジロック自体が「フジロックはこうでないといけない」みたいな固定観念から脱皮して、どんどん多様なお客さんに対応するようになってるんだなって思いました。
「カルヴィン・ハリス・ショック」とはなんだったのか
大谷 で、サマソニは何よりカルヴィン・ハリスでしたね。話題騒然だった。
柴 これは僕はスタジアムの上の方から見てました。ライヴ自体はすごくよかったんですけど、みんなが期待してたのと全然違ってたから、状況はめちゃくちゃおもしろくて。
大谷 僕はちょうどカルヴィンのステージの時間帯に、サマソニの別の仕事でいろんなアーティストと対談をしてたんです。途中からしか見れなかったんですよ。でもどんなステージやってるのか気になるからツイッターを見たら「え? え?」みたいなツイートがたくさん流れてきて。
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