「ユウカ、あなたどうしたの? 池崎くんと喧嘩でもしたの?」
「別にそんなんじゃないけど……ちょっと池崎には考え直してもらいたいところがあって」
それを聞くと、やれやれという表情をして母はユウカにこう告げた。
「あなたの方がバカなのに?(笑)」
「ちょっと、そういうことじゃないでしょう! 確かに私の方がバカなのかもしれないけど、実の娘をバカ呼ばわりするって、どういう了見よ!?」
はぁとお茶をゆっくりのんで一息つくと母はユウカに一瞥をくれ、深くかぶりを振った。
「ユウカも、私の身になってごらんなさいよ。毎度、キラキラした目で男の子を紹介してくれるけど、つまらないことで喧嘩してダメにして……。お母さんだって、毎度新しい男の子にどんな顔して会えばいいかわからないじゃない」