あなたに名前があるのは、誰かに愛されたことがある唯一の証拠である

19世紀に、ソシュールという言語学者は言った。「言語とは、差異のシステムである」と。AKBの中でも名前を覚えられるメンバーと覚えられないメンバーがいる。その違いには、人間のどんな感情が隠れているのか? 書籍『(推定3000歳の)ゾンビの哲学に救われた僕(底辺)は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。』より特別連載。


続-「ソシュールと言葉による物の区別」

先生 たくさんの人だろうが専門家だろうが、「人間が決めたこと」に変わりはない。ひろは「十日ネズミ」の名づけ方をおかしいと感じたようじゃが、しかしあらゆるものの名前は結局のところそのように人間の好き勝手につけられてきたのじゃよ。

ひろ すいませんねえ僕たち人間が好き勝手しちゃって。

先生 別に責めているわけではない。なにしろ、ものに言葉を当てはめる方法など「人間の好き勝手」以外にはないんじゃからな。しかし、人間がその名をつけた途端にその存在が独立して認められるようになるとすれば、あらゆるものは「実体があるから名前がある」のではなく、「名前があるから実体がある」ということになるのじゃ。それは「柴犬」も「チワワ」も「犬」も「猫」も「机」も「椅子」も、すべて同じことじゃよ。

ひろ え。犬も猫も机もですか? 柴犬とチワワまではネズミの延長でわかるけど、その先が飛躍しすぎのような……

先生 そうかな? そもそも「言葉とはなんのためにあるのか」に着目すれば、なんであれ同じだということに気づくはずじゃ。どうじゃひろ、ここまで聞いてみてどう考える? 言葉は、なんのためにあると思う?

ひろ 言葉は…………、愛する人に、愛を伝えるためにあるんです!

先生 19世紀に、ソシュールという言語学者がいた。哲学者でもあったソシュールは、

言葉について「言語とは、差異のシステムである」と定義したのじゃ。

ひろ 僕のこじゃれた回答を無視しないでっ!!

先生 言語とは、差異のシステムである。要するに、言葉とは、「あるもの」や「ある状態」を、他のものと区別するために存在するのじゃよ。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

哲学を学ぶと人生が楽しくなる。ふざけたタイトルですが生きるためのヒントが詰まっています。

この連載について

初回を読む
ゾンビの哲学」に救われた僕は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。

さくら剛

さくら剛の超・哲学入門! 「とっつきにくくて、わかりにくい」、「でも、人生の役には立ちそう」。本書は、そんなやっかいな哲学を「冴えない青年“ひろ”が、古代ギリシア生まれの哲学者“ゾンビ先生”から学んでいく物語」です。哲学とは? この世...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

_noramani_244 これ面白い 2ヶ月前 replyretweetfavorite

bear_yoshi 「言葉とは、「あるもの」や「ある状態」を、他のものと区別するために存在する」 2ヶ月前 replyretweetfavorite