「語られない歴史」が好きなあなたへ
『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里
(集英社)初出2002
教科書に記された歴史 VS 小説で描かれる歴史
私が「全人類」におすすめする本を挙げるとしたら、この本を挙げる。「歴史」と「文学」の間にある傑作です! #ロシア通訳者・エッセイストの著者による小説 #スターリン時代のソ連が舞台 #笑えて泣けて震える #現代東欧史に興味のある人ぜひ! #歴史が苦手な人もぜひ! #ソ連に関する小ネタ盛りだくさん #ミステリ仕立て #「最近感動してないなぁ」と思ったときに読みたい一冊
《人生を狂わせるこの一言》
夢を糧に、わたしたちは生きながらえていた。
世界を雑に見たくないです。
時代とか歴史とかそういう大きなものに巻き込まれながら、マクロに圧倒されながら、一人ひとりの人間はミクロ単位でいろんなことを考えて食べて眠って起きて生きている。
小説という媒体に力があるとしたら、そういう、大きなものに取りこぼされがちな、一人ひとりをすくうことじゃないのかなぁ、なんて思います。
そしてこの『オリガ・モリソヴナの反語法』という一風変わった題名の小説は、見事なまでにその力を発揮しているのです。
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