台所のネガティブワードはポジティブに言い換える。
「毎日、違うメニューで何皿も作れない」
「大量のみじん切り、ああ面倒くさい」
「こんなに一生懸命作っても、誰も感想を言ってくれない」
「食べ終わるのも、どうせあっという間」
「そのあとは、一人で洗い物をしないといけない……」
台所に立ったとき、こんな言葉が頭の上にのしかかってくる、という方はいませんか?
家事をしながらネガティブな気持ちに襲われてしまうときは、誰にだってあります。くたくたに疲れて倒れそう! もう何もせず寝てしまいたい! それでも夕飯の準備の時間はやってきてしまいますし、ましてや、そんなときに家の中が散らかりっぱなしだったりするともう……。
だからと言って、作るのに3分、食べるのに10分、洗うのに0分のインスタントラーメンや出前、スーパーのお総菜を毎日並べるわけにもいきません。
まだ、自分一人のご飯であればよしと思えるかもしれませんが、毎日家族に出すとなると、やっぱり少し気が引けますよね。
そもそも、あなたはどうして毎日食事を作るのでしょうか?
台所に立つにあたって、「しなきゃいけない」「面倒くさい」「できない」「どうせ」という言葉が頭をよぎったら、まず「そもそも、どうして私はこれをしようとているんだろう?」と立ち止まって考えてみてください。
なぜなら、いま、あなたがしようとしている行動には、必ず理由があるからです。
なぜ、昨日とは違う献立を考えようとしているのか。
なぜ、にんじんも玉ねぎもセロリも、そんなにたくさんみじん切りにしようとしているのか。
なぜ、食べ終わったらすぐに洗い物を仕上げてしまおうと思っているのか。
その行動の向こうには、なるべくバリエーションと栄養バランスに富んだ食事で、家族に健康でいてほしい。子どもには身体の栄養だけでなく、手作りの食事で心の栄養も補って、母の愛を感じて育ってほしい。食べ終わったあとは、すっきり片付いた空間で気持ちよく過ごしたい、など……。
そんなあなたの「想い」が、きっと浮かび上がってくるのではないでしょうか。
もし、お子さんが学校のテスト前に「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの? 面倒くさい。どうせ自分にはできない。勉強したって意味ないよ」と言ってきたら、なんと答えるでしょうか?
「その勉強には意味があるんだよ」ということをどうにかして伝えようと、あなたの口からは、肯定的な言い回しが自然とあれこれ出てくるはずです。
ですから私たちも、台所に立つときにネガティブな気持ちが浮かびそうになったら、頭の中で次のように言い換えてみましょう。
「毎日、違うメニューで何皿も作れない」→アレンジのきく作り置きをしてみようかな?
「大量のみじん切り、ああ面倒くさい」→3分だけと決めて集中してやってしまおう。余った分はストックしておくとあとが楽だなー!
「こんなに一生懸命作っても、誰も感想を言ってくれない」→自分の料理の腕もだいぶ上がったな、みんな夢中で食べてた!
「一人で洗い物をしないといけない」→これが終わったら寝られる。おいしい紅茶を飲んでリラックスしよう! などなど……。
「ものは言いよう」とはよく言ったもので、このようにポジティブワードにチェンジするだけで、同じルーティンの行動も違って見えてきませんか?
否定的な言葉は、あなたの頭の中で否定的なイメージをつくり上げてしまいます。それが積もり積もると、「毎日台所に立つのがおっくう」「料理が苦手、嫌い」という認識にまで発展してしまうのです。
そんなマイナス思考のまま、食事の席についても、せっかく作ったご飯がおいしく感じられません。家族が無言でズズッと味噌汁をすする音にカチンときたり、子どもが早く食べないことやこぼしたりすることにもいつも以上にイライラして、無意識のうちに眉間にしわが寄ったまま、ということに。
そんな食事、ちっとも楽しくありませんよね。
食事は「食時」でもあります。食べるときは、楽しいとき。ただ生きるために食べる食事ではなく、楽しむために、幸せになるために食事をしませんか?
自分がポジティブな気持ちで楽しく料理を作れば、それが最高の調味料となり、食事の席で家族全員に笑顔が伝染し、食卓に幸せが集まるはずです。