28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を先行公開する連載、5回目。先輩たちの背中を追う6人。でも、同じ方法では追い越せない。そもそも、先輩たちを押し上げた「歌番組」が、もうなかった――。
「俺たちはこんなこともやってかなきゃいけないんだ! これから頑張っていくには、ジェットコースターも乗らなきゃいけないんだよ!」
1989年のSMAPは結成から1年を迎えて、いよいよ本格的なメディア進出が始まった。
4月からグループが出演する2本のテレビレギュラーと1本のラジオレギュラーが一斉にスタート。さらには同じタイミングで、グループ名がそのままついた紙パック飲料「SMAP」(森永乳業)のテレビCMも放送が開始される。
件の喧嘩はそんな折、テレビレギュラーの一つ「アイドル共和国」(テレビ朝日)の〝絶叫マシーン体験〟ロケで発生した。
17455
false
SMAPの28年間の活動と、とあるファンの女性の28年間。決して交わることはなかった。でも、支えられていた。そんな両者の紆余曲折の歩みから見えてくる、アイドルの“意味”。アイドル文化が生み落とした新世代の書き手によるSMAPとそのファンのノンフィクション。