レストランでのワインの選び方

「正義は安さにあり」がモットーのワインライター葉山考太郎さんに、ワインの味からレストランや家で飲むときの秘訣を教えてもらう本連載。第6回目は、レストランで、ワインをどう選ぶかです。教室での「学科講習」を終えて、いよいよ「実技」ですね。勝負のデートで高級レストランへ行く時、友人と気軽なビストロで食事をする時、海外のレストランを訪れた時、美味くて安いワインをカッコよくオーダーする方法とは?

レストランでワインを飲むシチェーションは、大別すると、「高級レストランで勝負のデート」「数人の友人と気軽なビストロで食事」「休日、近くのイタリアンに行き一人でランチ」の3つだろう。この状況でスタイリッシュにワインをオーダーする方法を解説していくが、まず、高級レストランと気軽なビストロの違いを把握しておこう。この2つは、似ているが全く別物で、マナーも違う。この違いをキチンと理解しておくと、場馴れした雰囲気が出てカッコよく振る舞える。

高級レストランと気軽なビストロの違い

高級レストラン

高級フレンチやイタリアンでは、席に通されて一息つくと、「食前酒(あるいは、アペリティフ)をお飲みになりますか?」と聞かれる。食前酒は、食欲増進のお酒なので、甘さが控えめで酸味があり泡のあるワインがいい。おススメはシャンパーニュだ。食前酒を飲んでいると、ギャルソンが食事のメニューを持ってくる。女性のメニューは、金額欄は空白だけれど、男性用にはちゃんと書いてある。

アペリティフを飲み終わる頃、食事のオーダーを取りに来る。食事が決まれば、ソムリエから「ワインはお飲みになりますか?」と聞かれ、「お願いします」と答えると、電話帳みたいにぶ厚いワイン・リストを手渡される。で、自分の好みのワインや、オーダーした食事との相性を考え、ソムリエと相談しながらワインを選ぶ(ソムリエとの会話の仕方や選び方は後述)。「困った時の泡頼み」で、無条件にシャンパーニュをオーダーしてもよい。

最初に出てくる食事が「アミューズ・グール(おつまみ)」で、これが出るタイミングでワインも出てくる。食事は、スープ、魚料理、肉料理と続き、最後がデザートになる。

高級レストランでは、ワイン・グラスが空になると、ソムリエが注ぎにくる。グラスが空だからといって自分で入れるのは、マナー違反。「ソムリエのサービスが悪いから、自分で入れるぞ」と、お店に喧嘩を売ることになる(らしい)。

気軽なビストロ

駅前にある気軽なビストロでは、席に通されると、メニューがテーブルの上に乗っていたり、黒板に書いてある。メニューには、食事だけでなく、ワイン・リストも一緒になっていることが多い。各ワインには、味や香りの特徴だけでなく、どんな料理に合うかまで、2、3行でキチンとまとめてある(これを読んで、「ちゃんと書いてあるなぁ」といつも感心する)。ワインの説明を読んで、自分でテキトーに決めてもいいし、値段で決めてもいいし、ソムリエと相談しながら選んでもよい。

ワインが来ると、最初の1杯はソムリエが注いでくれるが、あとは自分で入れること。自分でお茶を入れる「社員食堂方式」なのだ。高級レストランのつもりでジッと待っていても、グラスは空のままだから。

気軽なビストロには、1万円を越える高級ワインや古酒は置いていない。いつ売れるか分からない在庫を大量に抱えるほど資金に余裕がないし、古酒が変質するリスクを考えると、高級ワインを置く勇気はない。高価な古酒をずらっと揃えているレストランは、資金が潤沢で信用がある証拠なのだ。

時々、気軽なビストロなのに、「シャトー・マルゴ―1982年 85万円」と1本だけものすごいワインがリストに載っていたりする。これは、「ウチは、安ワインばかりじゃありません。高級ワインも揃えていますよ」とのメッセージで、いわゆる「魔除けワイン」だ。魔除けがなくなると困るので、「この値段じゃ誰も注文しないだろ」という価格に設定してある。

さて、高級レストランと気軽なビストロの違いがわかったところで、ワインを決める3要素である「ワインの価格帯」、「同席する人数」、「好きなワインのタイプ」について説明しよう。

ワインを決める3要素
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
ワイン恐怖症のためのワイン入門

葉山考太郎

「ワインに興味があるけれど、難しそう」と、ワインに恐怖心を抱いている人は多いのではないでしょうか。そんな人に向けて、「正義は安さにあり」がモットーのワインライター葉山考太郎さんに、ワインの味からレストランや家で飲むときの秘訣を教えてい...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません