ごく普通に日本で働いていた1人の日本人女性が、どんなキッカケでパリにきて、何を考え、日々生活しているのかを紹介しているパリジャン十色。今回は、恋人と一緒に暮らすためにパリにやってきた日本人女性の、思いもよらぬ人生体験についてです。
現在40代前半のCさんは、パリ在住6年目。日本食レストランで勤務して5年目で、つけまつげとやわらかいチークが、いつもチャーミングな女性です。 私の語学学校時代からの友人で、私より年上なのですが、妹のように接してしまう愛くるしい存在。インタビューの日も、厚底サンダルに花柄携帯ケース、日本で流行中のロングパンツと、まるで日本からやってきた女子そのものです。
元こじらせ女子の私としては、まっすぐに女性の可愛らしさを表現できる素直なスタイルと、すっぴん率の多いパリでも毎度ちゃんとお化粧をしている彼女に尊敬の念を抱いています。
はじまりは、日本旅行中の彼とのメアド交換
さて、まずは彼女が今もお付き合いしているフランス人の彼と出会った経緯や、パリにやってきた時の話を伺ってみましょう。
—— 彼との最初の出会いは?
Cさん 私が東京で和小物のお土産屋で働いていた時に、彼がお客さんの1人としてやってきたのが出会いでした。そのお店は私の祖母が長いこと続けていて、私も製作や販売を手伝っていたんですね。お客さんはほとんど外国人の観光客というお店で、そこに彼が来店してお話しているうちに、連絡先を交換することになったんです。でも、旅行中の人との関係なんてそう続かないと思っていたから、ウソのアドレスを渡してその場をやりすごそうとしたんです。
今回インタビューに応じてくれたCさん
ところが、その後まだ日本滞在中だった彼が 「メールが帰って来ちゃったよ」って、お店に来ちゃったんです(笑)。そんな風にまた来た人は初めてだったし、悪い感じもしないしと、正しいメルアドを伝え直して、後日一緒に遊びに行くことになりました。
この時点でCさんは、彼のことはタイプでもなかったし、特別意識はしていなかったけれど、「これまでよくお店に来ていた大人しい感じのフランス人観光客とも違って、なんとなく良いなぁ」という好印象ではあったそう。それが、デートで一気に接近することに……。
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