目の前の恋人が人間か自動機械かを判別することは絶対にできない

どれだけ人間らしくても「他人に心がある」ということを証明することはできない。世界には、あなた以外にはゾンビしかいないかもしれない。書籍『(推定3000歳の)ゾンビの哲学に救われた僕(底辺)は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。』より特別連載。


前回の授業でデカルトの、犬も猫もハエも「心を持たない自動機械」である、人間すら「心を持った自動機械」である、という言葉に納得がいかなかった青年ひろ。


続 -「人は自動機械か、他人は生物か」

先生 では、「人間と同じ外見で人間と同じように会話をし、肌触りが人間と同じロボット」だとしたらどうじゃ?

ひろ そんなロボットがあるとは思えませ〜ん。

先生 「そんなロボットがこの宇宙にない」という証明は誰にもできん。ないという証明ができん限り、あるという可能性はあるのじゃ。人間の皮膚、血管や内臓まですべて本物の人間と同じ材質を使って作り上げ、その上で人間の外見を持ち人間と同じように会話をする、ただしその動作はすべてプログラムされたものである、そんなロボットがもしあるとしたら。それは人間か? 自動機械か? 心はあるか? ないか?

ひろ ロボットである限り、それは自動機械だし、心もないです。だって自分の意思で動いているわけじゃないんだから。

先生 そうじゃな。たしかに、いかに人間と瓜二つだとしても、本人の意思で動いているのでないならば、それは人間ではなく自動機械じゃ。……ただし。そのような自動機械が存在するとして、それを人間であるか自動機械であるか判別することは絶対にできない。そうは思わんか?

ひろ えっと、制作者が名乗り出たらわかるのでは? 周りから人間だと思われているニセ人間がいたとして、偉い教授とかが突然出てきて「実は彼は本物の人間ではなく、私が開発した自動機械なのだよ!」と宣言したら、それで判断できるのではないですか!?

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

哲学を学ぶと人生が楽しくなる。ふざけたタイトルですが生きるためのヒントが詰まっています。

この連載について

初回を読む
ゾンビの哲学」に救われた僕は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。

さくら剛

さくら剛の超・哲学入門! 「とっつきにくくて、わかりにくい」、「でも、人生の役には立ちそう」。本書は、そんなやっかいな哲学を「冴えない青年“ひろ”が、古代ギリシア生まれの哲学者“ゾンビ先生”から学んでいく物語」です。哲学とは? この世...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

marekingu #スマートニュース 2年以上前 replyretweetfavorite