「話を聞く」という行為は簡単なように思えるが、多くの人が知るとおり、残念ながらきちんと聞ける人は少ない。
話し手に「ああ、聞いてもらってるな」という感覚を持ってもらうように聞くことは、相当の訓練が必要である。と同時に、じつは「人格的な部分」も問われる。それゆえ、「聞き上手」はかなりの希少なスキルだ。
とくに、マネジメント、営業、企画、マーケティングなど、「知識労働」に近い仕事はすべて、「人」との関わり合いが非常に重要な仕事だ。
だから、「聞く」スキルを持っていることは大変なアドバンテージである。
では、本当に「聞く」ために何が重要なのか。
「相づちを打つ」「相手の話が終わるまで口を挟まない」「うなずく」など、テクニック的なことが数多く紹介されているが、本当に重要なのはテクニックではない。
本当に重要なのは、話を聞くときの「姿勢」だ。「姿勢」とは具体的に何か。一般的に人は話を聞くとき、次の4つの姿勢のいずれかだ。
1 否定してやろう、と思って聞く
これは、人間としてまだ成熟していない、子どもの態度だ。つまり、相手の話に何かケチをつけてやろう、と思って聞く人々のことだ。
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