ある人事の方が「6月に入ると、新人のあいだの実力差が見えてくる」と言っていた。
「そんなに早くわかるものなの?」と思う人もいると思うが、おそらく正しい。 この時期、多くの新人の役割は研修の受講と雑用であり、人によりやっていることにあまり差がない。だから、余計に能力の差が目につくのだ。
「いちばん差が出るのは、コミュニケーションの部分ですね」と、その人事の方は言う。
「コミュニケーション?」
「そう」
私は思わず笑ってしまった。
「コミュニケーション能力のある人を採用したのでは?」
「それはそうですけど、面接したのは現場の人、面接の素人だから、結局、人事が研修と雑用をやらせて、もう一度適性を見て、ふるいにかけているのです」
「なるほど」
「人事をそれなりに長いことやっていると、『面接で人の能力を見抜ける人』なんてまったくいないことがよくわかります(笑)」
「へえ〜」
「ま、話を元に戻すと、コミュニケーション能力がありそうだ、ということで採用した人も、 当たり外れがあるんです」
彼によれば「コミュニケーション能力が高そうに見える人」には2種類あるそうだ。
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