ワンパターンというバリエーション
みなさまこんにちは。東京はまだまだ雨続き。エアコンなし生活では涼しいに越したことはないんだが、迎え撃つ気満々だった夏が立ち寄りもせず無断で去っていったようで、「キイテナイヨ~」と少し寂しさにくれているイナガキです。
さて、この連載を始めて約3ヶ月になりますが、ふと改めてこれまでの記事を振り返ってみたところ、私ってけっこう様々なものを食べているんだなあと、われながらちょっと感心してしまいました。
同時に、やや心配でもある。
だって私、現実にはそんなにバリエーションに富んだものを食べているわけじゃありません。基本「飯・汁・漬物」のワンパターン。
とはいえ、季節が変わるので食材は変わるし、気温によって食べたいものの傾向も少しずつ変わる。そして更新が週に一度となれば、なんだかんだと「目新しい献立」をアップすることになります。
結果、なんだか日々変化に富んだ「ステキな食事」をしているかのように誤解されるんじゃ……?
もしそうなら、それはいけません! だってこの連載の大きな目的の一つは「料理なんてワンパターンで十分なんだ」と伝えたいってことなんですから。
というわけで今週は、先日お伝えしました「パエリア」を一挙特集してお伝えしたいと思います。
というのも、これを見ていただけましたら、ナンダヨ~、パエリアなんて洒落た料理作ってると思ったら、ただ残り物を使いまわしているだけじゃんということが実感していただけるかと。
ちなみに私のパエリアは、米と具をオリーブ油で炒めて水を足して煮るだけ。
つまりは「洋風の具沢山おかゆ」。そう勝手に定義し、作り始めたら簡単で美味しくてすっかりはまってしまったという顛末は先日書いた通りです。
で、作りまくって食べまくっているわけですが、全然飽きるということがありません。それも「おかゆ」と似ています。作り方が単純でワンパターンだからこそ、レシピ本など見なくても安心していろんな具を入れられて、結果的にバリエーションが広がるのかもしれない。
そう考えると、やっぱり普段の食事づくりは、思い切ってレシピ本から離れてみることが大事なんじゃないかと。
あれこれ献立に悩むこともないし、作るのも楽だし、飽きないし、美味しい。
何より料理が簡単で単純だと、男も女も子供も年寄りも、誰だって自分のご飯を自分で作ることができる。そうなれば、お母さん一人が料理の負担に悩んで苦しむこともなくなります。
料理はワンパターンでも、具は季節によって変わってきます。で、どれも食べられるものなんですから失敗なんてことはないのです。多少違和感があっても「これは……新しい味だ!」と思えばよろしい。
ただし「これはウマイ」という組み合わせがあっても二度と再現できないのが難点ではある。でも人生は一期一会です。再現できないからこそありがたく味わえるのだと思えばまたそれもオツなものです。
その日にある野菜をなんでも入れる
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