旦那さんの子どもを産むとは限らない

結婚している女性が「子どもがほしい」と思ったとき、それは「旦那さんとの子どもがほしい」ということを意味しますが、下田美咲さんは、「旦那さんの子どもを産むとは限らない、結婚と出産は別ものだ」と断言します。一体どういうことでしょうか?

子どもができたからと結婚する人たちは多いし、そろそろ子どもが欲しいと考え始めると人は恋人との結婚を意識するように思う。おそらく既婚女性の99.9%は、子どもをつくる場合には旦那さんとの子どもを産むのが当たり前だと考えている。

結婚する=その相手と子どもをつくることに決めた、というのが一般的な考えなのだと思う。

しかし私は、結婚をした時点では、まだ旦那さんの子どもを産むことにするかどうかは検討中だったし、現時点でも、もし第二子をつくることにした場合にその父親に彼を選ぶのかは決定事項ではなくて日々検討している。

私にとって、結婚と出産は別ものだったし、今もそう思っている。

出産は絶対にやり直しがきかないから

私は彼のことを「自分の男」にするのにピッタリだ、と思ったから結婚をした。男として気に入ったから夫にすることにした。

結婚は、その程度の感覚で実行して大丈夫なことだと思う。うまくいかなかったら離婚すればいいのだし、いくらでもやり直すことができる。戸籍にバツがついてしまうけれど、ただそれだけのことで、それ以外はほとんど綺麗に結婚する前の日常を取り戻すことができる。

だけど、出産は違う。絶対にやり直しがきかない。だから、子どもを産んで育てていくにあたっての「父親は、この男で大丈夫か」というチェックは、自分の夫を選ぶ時のそれよりも、かなり厳しくやる必要がある。

自分の夫として適材であることと、父親向きな人材かというのは全く別の話だから、結婚した時点での私は、まだ彼に対し「あなたの子を産める」とは思っていなかった。

婚約期間から彼は子どもを欲しがっていて「一刻も早く父親になりたい! 美咲ちゃん、早く妊娠して!!」みたいな人だったので、その話題が出るたびに私は「大好きだから結婚はするけれど、子どもは産んだら必ず幸せにしてあげないといけないからノリと勢いでは産めないよ。仮にできても『できちゃったから』なんてなし崩しで産むつもりはないよ。子どもは親を選べないんだから、私がちゃんと相手を選ばないと。変な男を父親にするわけにはいかないの。子どもが欲しいなら、まず父親になる資格がある生き方をしてくれないとダメ」という風に話していた。

「本当に父親になりたいの? 父親になるって、どういうことか分かってる?」という話も、よくしていた。

子どもってすごくお金がかかるんだよ、子育てって最低限の衣食住を用意すればそれで良いってものじゃないんだよ、そんなことで親の責任を果たした気になる男なら私はそんな人とのタッグで子育てをするのは嫌だよ、もしその子が夢を見つけた場合、とんでもないお金がかかるかもしれないんだよ、3000万円は最低限の教育や生活をさせるのにかかるお金であって、私はそれじゃ親として全然ダメだと思ってる、親の力不足で子どもに何かを諦めさせたり、可能性を狭めるなんてありえないよ。そんな風になってしまうのなら子どもに申し訳ないから産みたくないの。

「って考えると、どのくらい大変なことかわかる? 子どもを持つなら、お金なんていくらあっても足りないんだよ。つまり、あなたの自由になるお金は1円も無くなるの。飲み会も行けないし、友達とも遊べないよ、欲しいものも買えないよ。それに時間だって、仕事以外は全部子どもに使ってくれないと私はストレスに感じる。子どもを持つってことは、父親として生きていくってことだよ。できるの?」

いつもそう話して、彼の意志を確認していた。妊娠前、私たちは随分と同じ話をしていたと思う。

彼に父親になる資格がなかった場合

彼はいつも「できる。大丈夫。頑張る。プロゴルファーを目指されるとちょっとキツイけど」と言っていた。「スケート選手とかお医者さんもめちゃくちゃお金かかるよ。大変なんだから子育てって」私は彼に、ありとあらゆる可能性を想像させるようにしていた。

「だからね、私があなたの子どもを産めるかどうかは、あなた次第なの」

私がそう言うと彼は「でも、そんなこと言ってても、美咲ちゃんもきっとそのうち子どもが欲しくなって、それで産んじゃうんだよ結局」と言い出すことがあった。

その可能性はある。彼が全然しっかりしてくれなくて、父親の資格がなさそうな男でも、私自身がどうしても子どもを産みたくなる場合はあるだろう。出産にはタイムリミットもあるから、数年以内にはそのタイミングが来るだろう。だけどそれに関しても考えがあったので、そのまま説明をしていた。

「うん。でも、あなたの子どもを産むかどうかは、あなたが父親になる資格のある男かどうかによる。もし、あなたが父親になる資格がなさそうな男なら、私はあなたと一緒にいる限り、子どもは諦めることにする。子どもをつくるために結婚したわけじゃないし、あなたと一緒にいられるなら子どもは産めなくても良いやって今は思ってるし」

「じゃあ、俺が全然ダメダメで、でも、どうしても子どもが欲しくなったら?」

「離婚する。あなたと一緒にいることよりも、子どもが欲しい欲の方が勝ったら、その時は離婚をして、子どもを産むための種馬探しを始める。良い父親になりそうな男を選んで子どもをつくることは、母親の責任だから」

「!!」

「でもね、今は、あなたと夫婦でいることの方が大切だから、良いの。あなたがダメ男だったら子どもを産まなければ良いだけなの。大丈夫、離婚しないよ、子どもは私にとって絶対じゃないから」

「やだ~、俺良い父親になるから、産んで~~~」

こんな会話を繰り返した結果として、彼の生き方は出会った頃とはどんどん様子が変わっていき、私の第一子種馬テストにクリアした。

しかし、そこでゴールではない。妊娠中も「この人は父親向きなのか?」というテストは、ずっと続いていた。

そもそも「父親向き」の定義の内容は私の中に色々あるのだけれど、子どもにとって良い父親かということのほかに、「一緒に子育てをして楽しい相手か」「子育てをするパートナーに相応しいか」というような、妻側の視点も含まれる。子どもの父親を誰にするかで、母親ライフというのは随分と変わってくる。どんな男と子育てをするか、これはかなり大きな運命の分かれ道だ。父親は、たった1人しか選べない。この貴重なひと枠に誰を当てはめるか。これは私が快適な子育てをするために、すごく大切なことだ。妥協できない。


女として、どんな男との間に子どもをつくるのが正解なのだろう。私はこのことを妊娠前からずっと考えていたし、妊娠してからも、常に考えている。

彼はすごく良くできた旦那さんだった

現在私は臨月で、もう間もなく出産なのだけど、この10ヶ月間は地獄だった。最近では妊娠している体に対してのストレスがもはや限界に達していて、毎晩のように彼の腕の中で大泣きしているような状況だ。子どもは欲しいけれど妊娠は苦手だ、と思うし、この先どんなに2人目が欲しくなっても、またこの地獄の10ヶ月を…?と思うとゾッとしてしまう。それほどにウンザリしているし、心が折れている。つわりは軽い方だったし1度も吐いたりもしていないが、それでもだ。

だけど、妊娠期間の彼のサポートぶりは、とても満足のいくものだった。とても良かった。

すべての妊婦健診に同行してくれたし、私の体重が増えるほどに「可愛い可愛い! 早くもっと太って!」と喜んでいて、いつも抱っこをしてはその時の体重をピタリと言い当ててきたので感心したし笑った。彼がいなかったら、私は妊娠中の体の変化に対して、もっとナーバスになっていたと思う。

つわりが発動した時は性欲やら食欲を満たすサポートをして気を紛らわせてくれたし、つわりでも食べられそうな献立を一緒に考えたり、妊娠中に食べられないものは一緒になってガマンしてくれたりした。

「つわりモンスター」の私に本当によく付き合ってくれていたと思うし、彼が隣にいる時間は妊娠によるストレスがかなり軽減されていく実感があった。すごく良くできた旦那さんだった。

妊娠中の辛さは、そばにいる男の人次第で、かなり変わってくると思う。

もし彼がいなかったら、私のマタニティライフは100倍キツイものになっていた気がする。私は10ヶ月の間に何度も「この人で子どもを産むことにして正解だった」と思った。

第二子を産むかどうかは別
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mozonu @liko_nemuri あと蝉がうるさくなくなったから余計にスヤスヤ〜😴 こちらになるよ!つ https://t.co/aSM9uvgtNI すごくははんなるほどーってなる…🙌 8日前 replyretweetfavorite

gohstofcain "気持ちのすれ違いというのは、ほとんどの場合、認識のズレからくる。(中略)里帰りをしてしまうと、一番大変な時期を離れて過ごすことになる。それは確実に認識がズレる。" 9日前 replyretweetfavorite

01szk タイトルがあれですけど、全てに共感したのではないけど、子どもほしいと思ってるご夫婦、赤ちゃんいるおうち、独身に読んでほしいと思ったのでツイット 9日前 replyretweetfavorite

magicsolt212 いちよ読破したけど……なんというか……資本主義社会の恋愛自由化の恐ろしさの片鱗しか見えないなぁ…… https://t.co/vMXjA4zzyw 11日前 replyretweetfavorite